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Ζガンダム(ゼータガンダム) は、テレビアニメ機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』及び、劇場アニメ機動戦士Ζガンダム A New Translation』などに登場する架空の兵器

Ζ計画」に基づき開発された、エゥーゴガンダムタイプ可変MS(モビルスーツ)。読みの関係上、正式な表記はギリシャ文字「ゼータ」を使用した「Ζガンダム」であるが、入力の容易さからラテン文字「ゼット」を使い「Zガンダム」と書かれることも多い。本項目では、その他の映像作品や、ゲーム、雑誌企画などに登場する系列機、派生機の解説も記述する。

Ζガンダム 編集

テンプレート:機動兵器

機体解説 編集

エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社による共同開発計画「Ζ計画」で開発された機体の1つ。リック・ディアス(γガンダム)から数えて4番目に開発されたため、その開発コード「ζ」からΖガンダムと名付けられた。

宇宙世紀0087年、エゥーゴと協力関係にあったアナハイム社はリック・ディアスの完成と同時に次世代超高性能MS開発計画「Ζ計画」を発動させる。百式メタスの試作後、アナハイムはエゥーゴの象徴たる超高性能機Ζガンダムの開発に着手したが設計は難航した。しかし、ティターンズが開発したガンダムMk-IIが同社に持ち込まれたことで状況は一変する。ガンダムMk-IIに採用されたムーバブルフレームの設計思想は斬新であり、可変MSに要求される機能を十分に備えたものであった。さらに民間人の少年カミーユ・ビダンによる変形機構やフライングアーマーの発案も加わり、設計は急速に進展していった(劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』ではカミーユが開発協力に携わった描写はない)。

こうして完成したΖガンダムは「ウェイブライダー」(以下WR)と呼ばれる巡航形態への変形能力を有し、宇宙空間から重力下までの連続運用を可能とする破格の汎用性を実現した。本機のムーバブルフレームの基本構造はコピーが容易である上、ガンダムMk-II以上に高い強度を有しており、以後に開発されたMSの殆どがどこかにこの構造を取り入れているといっても過言ではない。これによりΖガンダムは機体構造そのものを変更し、複数のミッションに迅速に対応することが可能となった。これは既存のMSを大きく凌駕する機能であり、便宜上第3世代MSに分類される。

装甲材質はリック・ディアスや百式同様にガンダリウムγを使用し、更なる軽量化と高剛性を実現している。この素材の採用がなければ本機は自重によって機体各部の運動性を損ない、変形の所要時間を短縮することもできず、実用機としては完成しなかったと言われる。大気圏突入を行う機体の性質上、外装やシールドは入念な耐熱処理が施されており、ビームによる射撃・斬撃にも数回ながら耐えうる。ただしWRの一部を構成するパーツでもあったことからデリケートな構造であり、整備面で若干の問題があったとされる。

熱核ジェット/ロケットエンジン及びジェネレーターは変形機構が集中する胴体部を避け脛部に搭載、結果的に分散配置となり片脚を喪失した場合でもある程度の出力が維持される。背部にはAMBACとスラスターとしての機能を併せ持つロングテールバーニアスタビライザーを装備、大気圏内外において優れた加速性能を発揮する。また背部ムーバブルフレームに接続されるフライングアーマーには複数のモデルがあり換装が可能である(ウェイブライダーに後述)。

本機は当時の可変MSとして傑出した完成度を誇り、緻密な変形機構によって高性能なMSとWRを両立した。MSとWRでは基本構造や必要とされる技術が全く異なるが、それ故に双方の機能を併せ持つ本機は戦術的に大きな意味を持つ。これは自身の兵器としての性格を任意に変更出来るということであり、旧来のMSにおいては実現不可能な戦術であった。すなわち本機は「自らのMSとしての戦力を自力で戦線に空輸することが可能」であり、RX-78 ガンダムの持っていた汎用性を抜本的な形で実現したと言える。 また兵装も機体に劣らぬ汎用性・合理性を有し、WR時にはビームガンとなるビームサーベル、サーベル化機能を持つ長銃身ビームライフル、複数種の弾頭を扱えるグレネードランチャーなど多目的なものが多く並ぶ。オプションのハイパーメガランチャーに至ってはジェネレーター・スラスター・アポジモーターを備え、MS/WR双方での運用を可能としつつも独立した兵装として主機への負担を抑えている。

次世代機として開発された本機は、MSの開発史的な視点で見るとオーバースペックやコスト高騰の一端を担った機体と言える。しかしその特性はむしろパワーウェイトレシオが重視された宇宙世紀0100年代以降の機体に近いともされ、系列機の優秀さも相まって評価は高い。そのポテンシャルの高さから連邦軍のエースであるアムロ・レイ第二次ネオ・ジオン抗争の際に本機を欲したという噂もある。

このように優れたパフォーマンスを見せたΖガンダムだが、複雑な機体システム故の高コスト、劣悪な整備性といった問題も残されており、そのままの形で量産化に移行することは不可能であった。機体挙動自体も非常にピーキーで先鋭的な特性を示し、操作性が低下した点も理由の一つである。特に後者に関しては、後に簡易サイコミュであるバイオセンサーが搭載されるなど操縦系統に改良が施されているが、根本的に搭乗者を選ぶ傾向に変化はなく、宇宙世紀0091年に完成された系列機リ・ガズィにおいても同様の問題を抱えていたという。

武装 編集

60mmバルカン砲
頭部に2門設けられた回転多薬室式機関砲。近接防御用の装備である。ガンダムMK-IIではオプション化された装備だが、本機では変形の際に頭部を収納するために再び内装化されている。
2連装グレネードランチャー
標準装備として前腕部に装備(装弾数片腕4発)。外形はグレネードであるが、簡単なロケットと追尾装置が組み込まれており、実際は短距離誘導ミサイルである。的確な運用であれば敵機に致命的な損傷を与えることも可能。オプションマガジンによって装弾数の追加も可能(19発)であるが、変形時には除去する必要がある。他にワイヤー装備型も存在し、奇襲攻撃等に有効。
ビームサーベル/ビームガン(出力0.65MW/1.3MW)
計2基が装備され、非使用時は腰部左右のスカートアーマーのホルダーにそれぞれ収納される。WR形態ではホルダーに固定したまま、ビームガンとすることもできる。ただしビーム射撃武器としては出力が低く、あくまで牽制用の装備と位置づけられている。
ビームライフル(出力5.7MW)
長銃身高威力の専用ビームライフルだが、ガンダムMk-IIと共通のEパックを使用し、互換性が保たれている。非使用時には背中、または前腕外側にマウント可能。WR時には銃身を縮めて機体上部に装備する。銃口にビーム刃を形成してロングビームサーベルとしても使用可能。
ハイパー・メガ・ランチャー(出力8.3MW)
内部にジェネレーターを備えているため、外部からのエネルギー供給が必要なく発射できる。ただしMS側からのエネルギーも併用することで、連射間隔を縮めることが可能。独自の推進力を備えており、移動時にデッド・ウェイト化することがない。しかし質量が大きく、機動時に多大なモーメントを発生させるため、近接戦闘には適さない。ビームライフルと同じくロングビームサーベルとして使用できる。47話ではWR時の下部に装着している。メガ・バズーカ・ランチャーと比べると一射あたりの威力は劣るものの、発射回数と発射速度において上回る。
なお、「ハイパー・メガ・ランチャー」という名称は『機動戦士ガンダムΖΖ』終了後に創作されたもので、オンエア当時の名称は「メガビームランチャー」である。また上述のような描写も放送当時にはほとんど存在しておらず、一部ゲームでみられるようなWR形態での射撃場面もない。変形シーンをバンクシステムとして使用する都合上、出撃シーンはMS形態であることが多く、劇中ではもっぱらMS形態で抱えて母艦から出撃していた。百式のメガ・バズーカ・ランチャーのように格別威力が高いような描写もされておらず、通常のビームバズーカのような演出だった。
シールド
通常左腕のラッチに装着される。フライング・サブ・ユニットとしての機能を有し、WR形態時には機首となる。耐熱性、強度共に高い。『機動戦士Ζガンダム』(TV版/劇場版)では、グリプス戦役の最終決戦において体当たりでジ・Oの正面装甲を突き破り、パイロットのパプテマス・シロッコを圧殺した。『機動戦士ガンダムΖΖ』には、格闘戦時の打突に使用され、先端部の突起でガザD の頭部を損壊させるシーンもある。
また、劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』ではシールド内側にミサイルを装備している。
小型ロケット弾
TV版『機動戦士Ζガンダム』第25話で、ヤザン・ゲーブルギャプランにWR形態にて一斉発射した。

変形 編集

ガンダムシリーズで主役機が変形するのはΖガンダムが最初である。人型のMS形態から戦闘機型のWR形態への変形行程を概ねの順に列挙すると以下となる。

  1. まず背面のテールスタビライザーの基部が変形する。それによりテールスタビライザーは下方(WR形態の後方)へと伸び、腰部後方のスカートアーマーと一体化。ビームライフルを携行している場合、MSの腕によってテールスタビライザー基部に現れたラッチに装着される。
  2. 頭部はアンテナがたたまれ、機体中心方向に引き込まれる。同時にコクピットを含む胸のブロックがはね上がり、腹部パーツが収縮。股関節が伸長して、両脚部の間隔が空き、出来たそのスペースに両腕が収納される。
  3. 胴体、四肢の変形と同時に連動して背部左右のフライングアーマーの基部であるムーバブルフレームが作動。それぞれのフライングアーマーが上下反転して正面側(WR形態の下面)へと移動する。顔を隠すように中心に装着された腕部シールドを左右から挟む形で合さり、WRとしての機体下面パーツを構成。
  4. フライングアーマーが移動される間に、脚部は以下の様子で一斉に変形する。つま先とかかとを閉束しながら、両下脚部は膝部の変形により背面(WR形態の上面)へと移動、足首後方のスラスターノズルが引き出される。脚部の変形とほぼ同じタイミングで腰部左右のスカートアーマーがそれぞれ上下反転して前方へと移動、機体の側面部を保護するパーツとなる。
  5. フライングアーマーから翼が引き出されてWRへの変形が完了。

非常に複雑なものであるが、設定では0.5秒ほどでMS形態からWR形態へ変形を完了するとされている。アニメにおいても上記の行程が間断なく、多くが同時進行され瞬時に変形する様子が描かれており、後期OPのラストシーンでも本機はMS形態からWR形態へと一瞬で変形して飛び去る。しかしアーガマからの発進時など、変形シーンが見せ場となる場合はより時間を掛けて演出されており、初期はWRへの変形完了時に引き出される翼の表面にハイライトが走るなど作画も丁寧なものとなっている。

WR形態からMS形態への変形は先述とは逆の手順となり、同様に見せ場とされている。その際、変形を回転しながら行う演出がバンクシステムとして用いられた。解説話とされた『機動戦士ガンダムΖΖ』第1話「プレリュードΖΖ」では、その映像をクワトロ・バジーナが本機の変形シーンとして説明しており、シンタクムがカミーユが目を回さないことに驚いている。

ウェイブライダー 編集

本来の呼称としてある「ウェイブライダー」は、超音速飛行の際、衝撃波の上に乗る設計とされたリフティングボディを有する航空機を指すものである。Ζガンダムの巡航形態を指して呼ばれる「ウェイブライダー (WAVE RIDER)」のネーミングはその機能に由来する。

WR形態へと変形することで本機はバリュート等のオプションを装備することなく、単独での地球への大気圏突入が可能となる。MS形態では背部に配置されているフライングアーマーはWR形態では下面に配置され、機首部も構成するシールドと共に衝撃波を機体の下面に集中させる構造となる。機体は装甲素材の耐熱性だけでなく、その衝撃波に乗ることで大気圏突入時の熱からカバーされる仕組みとなっている。

Ζガンダム配備以前、ガンダムMk-IIの大気圏突入用の装備としてフライングアーマーが開発されている。それは「Ζ計画」の一環として行われており、ジャブロー侵攻戦に参加した同機のその装備により、本機のWRの機能が検証された。

WRは大気圏突入能力のみならず、宇宙戦闘機としても優秀な加速性能、及び航続距離を備えている。MSからの機体形状の変更は、機体各部に分散配置されたスラスターのベクトルを後方に集中させ、全推力を加速のみに用いることを可能とさせる。しかし腕部や脚部などのモジュールは機体剛性の確保のため固定され、AMBAC機能は失われる。したがって直線加速には優れるがMS形態に比べると運動性が低下するその特性から、大気圏突入時以外での運用は概ね高速移動を目的とされている(但し、現実として物理的には宇宙で変形させる意味はまったくない[1])。

サブフライトシステムとしての運用も可能である。MSを1機、搭載したまま大気圏突入を行うことができ、TV版『機動戦士Ζガンダム』35話では百式を、『機動戦士ガンダムΖΖ』では、エルピー・プルキュベレイMk-IIを乗せて地球に降下している。ドダイ改のような完全なサポートマシンとしてMSと連携戦闘を行うことも可能。キリマンジャロ襲撃戦では、クワトロが無人のWR形態の本機に百式を載せて遠隔操作により飛行し、カミーユの元に機体を運ぶシーンがあった。

WRは熱核ジェットエンジンによって大気圏内飛行も可能であるが、機体の翼面積が小さく、実際には膨大な推力によって強引に機体を飛翔させているに過ぎない。そこで空戦能力付与のため、可変後退翼を備えるフライングアーマーも考案されている。これを装備するΖガンダムの巡航形態は「ウェイブシューター (WAVE SHOOTER)」とされ、大気圏突入能力を省略して、大気圏内での低空飛行性能や離着陸距離、航続距離などの航空能力の向上が図られた。MS形態時にはウイング・バインダーとしても機能するこのフライングアーマーの設計案は、後に量産機として開発されるΖプラスへと受け継がれている(#プラモデルも参照)。

本機の変形システムはVMsAWrs(ヴァモーズ、Variable Mobile-suit And Wave-rider system = モビルスーツとウェイブライダーに変形する機構)と呼称され、プラモデル等では機体胸部などにロゴがマーキングされている[2]

劇中での活躍 編集

機動戦士Ζガンダム 編集

『機動戦士Ζガンダム』本編としての作品は、TV版、小説版、漫画版、そして近年制作された劇場版が存在する。本機はいずれの作品においても主人公カミーユ・ビダンの乗機として活躍し、物語後半の主役機をつとめる。以下、主にTV版での本機を記述する。

TV版での本機の登場は第21話以降である。カミーユがそれまで搭乗していたガンダムMk-IIがティターンズのジェリド・メサマウアー・ファラオガブスレイにコクピットを潰されそうな形で窮地に追いまれる際、WR形態で現れ、アポリーの操縦で初めて実戦投入されこれを撃退した。小説版ではガブスレイ撃退後、カミーユの目の前でMS形態に変形し、アポリーが地球から帰ってきたカミーユへの挨拶としてカメラアイを光らせるというアクションがある。

これ以後はカミーユがメインパイロットとなり、エゥーゴの主力としてグリプス戦役を戦い抜いた。劇中ではMS形態とWR形態を巧みに使い分け、キリマンジャロ襲撃戦ではWR形態で百式を載せて大気圏に突入している。

物語終盤では、ニュータイプ能力は最高と原作者・監督の富野由悠季に評されるカミーユのニュータイプ能力とバイオセンサーが共鳴。ビーム兵器の攻撃を弾くオーラを機体に纏い、ビームサーベルを長大に伸展させヤザン・ゲーブルハンブラビを斬り裂くなどのスペックを超えた性能を発揮した。シロッコとの決戦では死者の思念を取り込み(劇中での表現)、なんらかの干渉でジ・Oを制御不能にする現象をもたらしている。結果、死者の思念を背負うカミーユのWR形態での体当たりによりジ・Oを撃破した。

劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』では、発射寸前のコロニーレーザー内での乱戦の中でビームサーベルを投げ、回転するサーベル本体の部分にビームライフルを撃つ(当てる)ことでビームを拡散させる技「ビーム・コンフューズ」を使い、キュベレイのファンネルをまとめて撃ち落とす場面が追加されている。

グリプス戦役でのΖガンダムの戦闘、それを経ての最後の演出は各メディア作品により異なる。相違点を以下に記述する。

TV版『機動戦士Ζガンダム』
WR形態でジ・Oに体当たりをして撃破。Ζガンダムに大した損傷はなかったが、パイロットであるカミーユは限界を超えたニュータイプ能力を発揮したため精神に異常をきたす。そこをファ・ユイリィのメタスに発見され、共にアーガマに帰還する。
小説版『機動戦士Ζガンダム』
ビームライフルを持った腕をジ・Oに切り落とされたΖガンダムは、発現したバリアーでジ・Oを跳ね飛ばす。ジ・Oはコロニーレーザーの照射に巻き込まれ消滅した。その後カミーユはロザミア・バダムサイコガンダムMk-IIゲーツ・キャパバウンド・ドックの相討ちを目にして精神崩壊。その際からコクピットのハッチは開放されたままとなり、ファのメタスに発見された時、カミーユのノーマルスーツのヘルメットのバイザーは開いていた。
劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』
ジ・Oに回し蹴りを仕掛けた直後、TV版と同様にWR形態での体当たりにて撃破。超常の力を発揮して呆然となったカミーユが我に返るのと同期するように、シールドとフライングアーマーを切り離しながらMS形態へと緩やかに変形。ファがメタスで回収の為に迎える。
なお、劇場版は3部の公開前に1〜2部がアニマックスにて放送されており、その際に福井晴敏Gackt(現・GACKT)と対談した富野由悠季は「Zガンダムの変形がゆっくり見られなかったのが残念」と発言した。これについては後に、「思い切りネタバレになってしまうためにこの結末(3部のこのシーン)について何も言えず悔しい思いをした」と語っている。

機動戦士ガンダムΖΖ 編集

『機動戦士ガンダムΖΖ』ではTV版『機動戦士Ζガンダム』から繋がる形で物語序盤(第1クール)の主役機をつとめ、第一次ネオ・ジオン抗争に投入されガンダム・チームの一角を担う。メール・シュトローム作戦後、本機は修理もままならない状態でアーガマに置かれていた。同艦がシャングリラに寄港した際、ジャンク屋を営むジュドー・アーシタとその仲間達がこの機体に目をつけ、盗んで売り払うために侵入、ジュドーは成り行きから本機に搭乗する。この際、彼は初めてとは思えぬ操縦でΖガンダムを動かし、ティターンズの残党ヤザンを撃退する。彼らはその後アーガマの乗員となり、ジュドーは本機のメインパイロットとなる。ジャンク屋の元締めであるゲモン・バジャックが搭乗するゲゼと対戦した際にはボクシングの構えをとり、パンチの連打を繰り出すといった肉弾戦も披露している。 搭乗者を得たΖガンダムは再び同艦の主力として活躍、アクシズの巡洋艦エンドラのモビルスーツ隊の襲撃を幾度も退ける。しかし、新鋭機ハンマ・ハンマの猛攻によって頭部を破壊され、この戦闘の直後、ジュドーは新鋭機ΖΖガンダムを受領、そのまま同機に搭乗し、本機は一時戦線から離脱した。また、ジュドーの友人イーノ・アッバーブが彼の危機を救う為に、本機に急遽ザクIIの頭部を取り付けた状態で出撃したこともあった。これはあくまで応急措置であり、各インターフェイスも満足に機能しなかったが、イーノはガザC部隊を相手に善戦している。なお、このザクヘッドタイプのΖガンダムはイーノの命名により「Ζザク」と呼称される。

その後、修復を終えたΖガンダムはアーガマの志願兵ルー・ルカの乗機として戦線に復帰する。しかし、アーガマの地球降下作戦時には再びジュドーが搭乗、戦闘中に誤って大気圏に突入してしまったプルのキュベレイMk-IIと共に大気圏を突破している。地上での行動時にも、Ζガンダムのウェイブライダーは、ΖΖガンダムのGフォートレスよりも小回りが利く(使い勝手が良い)ため、ジュドーはΖガンダムに搭乗する場面があり、カミーユに劣らぬ活躍を見せる。

第一次ネオ・ジオン抗争終盤、アクシズへと突入した際にクィン・マンサの攻撃を受け、同機のオールレンジ攻撃の前に機体は沈黙するが、駆けつけたフルアーマーΖΖガンダムによって窮地を脱する。アクシズ陥落の際、搭乗者を失いコクピットを開放したクィン・マンサを破壊するが、Ζガンダムはこの戦闘で中破し、放棄された。パイロットのルーはΖΖガンダムによって救出され、無事に帰還している。

本機のその後については不明である。しかし公式関連の書籍には、戦後すぐに地球連邦軍が回収し修復されるも、ニュータイプの反乱を恐れた高官により他のガンダム・タイプと同様秘匿された事が多く記載されている。

なお、番組のアイキャッチは全話を通して本機のものとなっている。第1クール以後、主役機がΖΖガンダムに移ってからもそのまま変わることはなかった。

その他 編集

小説『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』では、第一次ネオ・ジオン抗争終結後に本機は回収され、連邦軍によって百式と共に秘匿されたとしている。

本機の改修(レストア)もしくはレプリカ機が登場する作品は数多く描かれた。ムックマスターピース ゼータ・ガンダム[3]では、ルー・ルカ機がΖプラスなどの形状の似たパーツを用いてレストアされ、宇宙世紀0091年6月リ・ガズィの完成披露式典に特別展示された(Ζプラス#Ζガンダム(レストア機)も参照)。また、『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイムジャーナル』でも、宇宙世紀0100年の記念式典に特別にレストアされたΖガンダムとメタスがデモンストレーション飛行を行っている。書籍『ガンダムMSグラフィカ』では、宇宙世紀0097年の特別任務に際しアナハイム社建造によるコピーあるいはレプリカ機が用意され、フリーランスの傭兵「ライトニング」が搭乗した。この機体はカミーユ機にほぼ準じた外装であり、大型コンフォーマルタンクシステムを追加装備しているのが特徴である。書籍『GUNDAM WEAPONS マスターグレードモデル"Ζガンダム"編』では、半世紀を経てジャンクの山から発見され、各種実験のテストベッドとして酷使された後に破棄されたΖガンダムの残骸を民間の手で変形・飛行可能にまで再生する物語『FLYING 51年ぶりの飛翔』が収載されている。アニメ『機動戦士ガンダムF91』の設定資料によれば、サイド4のロイ・ユング戦争博物館に1/1レプリカが陳列されたとしている。

アニメ『機動武闘伝Gガンダム』では、デビルガンダム迎撃のため出撃した大量のガンダムの中に、一瞬ながら凱旋する本機が確認できる。

設定の変遷 編集

TV版ではカミーユ・ビダンがアーガマのコンピューターを借り、半ば個人的な趣味でガンダムMk-IIとリック・ディアスのデータに独自の装甲(フライングアーマー)を付けたして設計し「ゼータガンダム」と名づけられたプロットが存在し、それがΖガンダムの開発に大きく寄与した事を伺わせる描写がある。「1/100 MG(マスターグレード) ゼータガンダム」などの劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』が公開されるまでに発売されたプラモデル組み立て説明書に記載されている機体解説では、「カミーユ・ビダンの基本設計のプロットの協力の基で開発された。」との解説がある。本編終了後に展開された『Ζ-MSV』では、かねてから進行していた可変MS開発計画と、プロトタイプの機体(後述するプロトΖガンダム)がカミーユ案とは別に存在したという設定が新たに加えられ、そこにガンダムMk-IIから得られたフレーム機構の技術とカミーユの案を組み込む形でΖガンダムの完成形へと結実したという解釈へと変わっていった。

しかし、劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』ではカミーユがデータを作成していたという一連のシーンが割愛されており、特にそのような経緯があったという訳でもなくなっている。劇場版にてΖガンダムが初登場した2作目『機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち-』の公開と並んで発売された「1/100 MG ゼータガンダムver.2.0」組み立て説明書の機体解説には、カミーユの設計案についてはほとんど触れていない。白石琴似の漫画『機動戦士ΖガンダムII- 恋人たち-』では、カミーユの専用機として作られたとしている。

メカニカルデザイン 編集

一般に、Ζガンダムはいわゆる「ガンダム顔」と似てはいるがやや異なる「ゼータ顔」と呼ばれる顔や、白を基調としたトリコロールカラーではあるが青の面積が多いそれであることなど、他の「ガンダム」の名を持つ機体とは一線を画している。

Ζガンダムをはじめとし、変形というギミックを取り入れたMSが多数本編中に登場する背景としては、『超時空要塞マクロス』のバルキリーや『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』などに関連した変形ロボット玩具の商業的成功をうけてのもの。サンライズでも『聖戦士ダンバイン』でのビルバイン、『重戦機エルガイム』でのエルガイムMk-IIと、先行作で後半強化型主人公機に変形機構を持たせていた。スポンサーのバンダイはガンダムに変形メカを登場させることに反対だったが、総監督の富野の意向により実現した。またこの後のガンダムシリーズにおいても、Ζガンダム同様に航空機型に変形するガンダムタイプMSが登場している。

TVシリーズ開始時はガンダムMK-IIが主役級MSとして登場し、番組名を冠した真の主役であるΖガンダムの本編登場は中盤の第21話以降となっている。本放送当時はそれまで正式なΖガンダムのデザインは公開が伏せられていた。

元々当番組のデザインについては大河原邦男永野護藤田一己といった複数のデザイナーが参加していた。番組名を冠する新型ガンダムのデザインにはプロデューサーによって数十名のデザイナーにオファーがなされ、頭部アンテナがたたまれるアイデアは漫画家の近藤和久、フライングアーマーが回転して胸の下に入り込むアイデアは大河原、顔のデザインは永野が描いた没案の顔を採用して最終的にメインデザイナーである藤田によってクリンナップが行われた。

採用されなかったデザインも相当あり、それらは『機動戦士ガンダム MS大辞典』(バンダイ)などのムックに一部が掲載されている。採用されなかったデザインは百式やサイコガンダムなどに流用されている。

初期OP映像中で登場するΖガンダムのシルエットは永野護の準備稿を仮採用して描かれている為、実際のΖガンダムのように頭部に4本の角がない。この永野案のΖガンダムは百式の下地にもなったデザインと言うこともあり、どちらかといえばΖガンダムより百式の頭部に近いものとなっている。

Ζガンダムの決定稿デザインが伏せられていた段階でも、その名称と変形するという設定のみが事前情報として公開されており、関連雑誌である「コミックボンボン」、「模型情報」などでは、これに関連して読者が考案したオリジナルのΖガンダムデザインを公募するというキャンペーンが実施された。後年の『機動戦士ガンダムSEED』のような本編での採用を前提としたデザインコンペではなく、あくまでもプロモーションの一環であり、優勝したデザインは本編には登場していない。なお、ボンボン掲載の漫画『プラモ狂四郎』には「オリジナルゼータガンダム」として登場を果たした。

プラモデル 編集

複雑なΖガンダムの変形は、玩具として立体化する際の制約にもなった。TV版『機動戦士Ζガンダム』放映当時にバンダイが発売したΖガンダムのプラモデル4種(1/220、1/144、1/100、1/60)のうち、変形させられるのが1/100のみであり、完全変形するもののプロポーションもMS時・WR時ともに難点のある物だったことからも伺える。より大スケールの1/60はプロポーションを重視したため非変形となっている。後に発売された「1/144 HG(ハイグレード) ゼータガンダム」のキットでも、変形に際してのパーツ強度の問題から「ウェイブシューター」と呼ばれる独自の形態を採用、Ζプラスとほぼ同様の変形方法になっている。

1996年発売の「1/100 MG ゼータガンダム」では、背部フライングアーマーを外に広げることで腕を収納するスペースを確保する等の機構によって薄くスタイリッシュなウェイブライダーへの完全変形を実現した。そして以後のキットでもこの方式がベースとなっている。それでも関節部の保持に問題があり[4]、後に発売された「1/60 PG(パーフェクトグレード) ゼータガンダム」ではそれを踏まえた関節部分の保持の強化が行われている。また、「1/144 HGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー) ゼータガンダム」では、完全変形を断念しMS形態の上半身を丸ごと差し替えることでこの問題を解決している。前述の「1/100 MG ゼータガンダム ver2.0」(2005年12月発売)では、最新技術を用いた新構造により、より高い完成度でウェイブライダー形態を実現。その反面組み立てが初心者には難しい上級者向けのモデルとなっている。

元祖SDガンダム』シリーズでは2頭身ながら変形が可能だが、そのために頭を取り外さなければならない欠点がある。コミック化された際はその点が頻繁にネタにされていた。

WR形態の接地では、MGとPGでは劇中のようにシールドとフライングアーマーにランディングギアを接続する形だった。しかしHGUCでは下部に接続したハイパーメガランチャーにギアを取り付ける形となった。MG ver2.0では付属ディスプレイスタンドでの空中展示が推奨となり、接地用具自体が付属していない。

その他 編集

ファイル:Michinoeki-kumenosato2045crop.JPG
  • 岡山県津山市道の駅久米の里」には一ファンが作った藤田一己版に準拠したデザインの約3分の1スケールのΖガンダムが屋外展示されており、可動範囲は狭いが実際に動かすことが可能である。
  • ゲーム『サンライズ英雄譚2』では、ゲームオリジナル設定として赤く塗装されたシャア・アズナブル専用機と金色に塗装されたクワトロ・バジーナ専用機が登場する。

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バリエーション 編集

Ζガンダム3号機 編集

ガンダム新体験-0087-グリーンダイバーズ』に登場。白と紫に塗装されたΖガンダム。カラーリングデザインは藤田一己。(型式番号: MSΖ-006-3)

宇宙世紀0087年12月6日の豪華宇宙客船プロスペロー号落下事件発生の際、生存者の救出にあたったカラバの機体。型式番号末尾の「-3」および「3号機」の名称が意味するのは、あくまで機体の仕様(バージョン)を示すものであり、ベースとなったこの機体そのものはアナハイム・エレクトロニクス社でアーガマのカミーユ・ビダン機に続き2機目に建造されたものらしい。この時点では正式にカラバに配備されていたものではなく、評価試験中の機体である。大気圏内用の主力TMSとして購入を検討中のカラバの注文にあわせ、数々の追加装備が用意された。そのため、同一の機体でありながらも後述するホワイト・ゼータ、ストライク・ゼータのように時期によって形状やカラーリングの細部が異なる姿が確認されている。いずれも白を基調として青紫のラインが入ったパターンが印象的だが、カミーユ機にも似たトリコロールカラーをベースにスプリッター・パターン(スプリッター迷彩)化した状態も確認されている。プロスペロー事件当時は高高度迎撃用のオプションブースターがテストされており、このブースター装備の状態を指して「Ζガンダム3号機」と呼称するのが正しいとされる。

パイロットの「カラバ兵士」の声を古谷徹が担当。古谷自身はこのキャラクターを「アムロ・レイとして演じた」と明言しているが、公式には断定されていない。この「カラバ兵士」と本機はCGアニメ『GUNDAM EVOLVE ../9』(以下『EVOLVE../9』)にも登場し、パイロットに「ホワイト・ユニコーン」、機体に「ホワイト・ゼータ」なるコードネームが与えられている。なお、本機が登場するゲーム『SDガンダム GGENERATION DS』では、「アナハイム社が制作した2機目のΖガンダム」と記載され、搭乗者はアムロ・レイとしている。

また、2007年にバンダイより発売されたプラモデル「1/100 MG Ζガンダム ホワイトユニコーンカラーVer.」の組み立て説明書に記載されている機体解説では、TV版や劇場版での宇宙世紀のストーリーライン上に存在しない機体として扱っており、後述のバリエーション機を含めその存在を疑問視する見方を示している。

以下の3機はCGアニメ『EVOLVE../9』に登場。各種のデザインは一式まさと。なお、本編に登場する三つの仕様以外にも、多数のさまざまな武装案、改造案が考案されており、なかにはバウ同様の変形パターンをみせる案なども含まれていた。

ホワイト・ゼータ編集

正式名称はΖガンダム3号機A型。(型式番号: MSΖ-006-3A)

『ガンダム新体験-0087-グリーンダイバーズ』に登場したΖガンダム3号機に改良を施したもの。ベースとなったΖガンダムから大きな形状の変更は見られないが、機動性の向上が図られ、パイロットであるコードネーム「ホワイト・ユニコーン」の操縦に敏感に反応するようチューンが施されている。ティターンズのサイコシップ「ゲミヌス」迎撃任務のため、カラバのチャクラ研に出向してきた。

グレイ・ゼータ編集

正式名称はΖガンダム3号機B型。(型式番号: MSΖ-006-3B)

火力が増強されたΖガンダム3号機の改良型である。パイロットのコードネームである「グレイ・ウルフ」に倣いグレイ・ゼータと名付けられているが、カラーリングは黄色。当初は「グレイ・ウルフ」の依頼通り灰色のカラーリングが予定されていたが、耐ビームコーティング性能を高めるために現在のカラーリングになったという。そのため劇中では「イエロー・ゼータ」とも呼ばれていた。「グレイ・ウルフ」自身はこの色があまり気に入っておらず、本人は「バスター・ゼータ」と呼称していた。コクピットはパイロットの特性に合せ、全天周囲モニターでありながらザクなどの第1世代MSの仕様に忠実なパネル式分割モニター表示に設定されている。武装として大型ビームランチャーやビームマシンガン内蔵型サブユニットを装備する。大火力を安定させるため換装されたテールスタビライザーは翼状に開いた形となるため、従来のΖガンダムとは趣が異なっている。また、他の3号機仕様のΖガンダム同様オプションブースターを装備することも出来る。劇中ではサイコ・シップ「ゲミヌス」の迎撃作戦に参加。最終的に「グレイ・ウルフ」は自分の実力ではサイコ・シップの強大な力に及ばないと察し、「ホワイト・ユニコーン」に全てを託し、特攻して散った。

レッド・ゼータ編集

正式名称はΖガンダム3号機P2型。(型式番号: MSΖ-006-P2/3C)

新型のサイコミュであるサイコ・ニュートライザーを搭載し、Ζガンダム3号機C型をニュータイプ専用機に改良した機体である。このシステムはパイロットの思考や行動がダイレクトに反映される機能を有しており、そのため従来のコクピットとは仕様が異なり『機動武闘伝Gガンダム』のモビルトレースシステムに近い。また、任意でリニアシートモードに変形させることが可能で、特にMA形態時にこの形状にする場合が多い。フライングアーマーの形状も従来のΖガンダムとは異なっており、外部の情報をパイロットに直接取り入れるために各部に配置されたフィンが特徴的である。当初は「ジョニー」というパイロットの搭乗が予定されていたが、その人物がリタイアしたことによってユウリ・アジッサがコードネーム「レッド・スネーク」としてパイロットを務めることになった。

書籍『ガンダムMSグラフィカ』によれば、この機体の仕様は「ジョニー」の意向を取り入れた物であり、赤い塗装に関しても彼の要望だが、納入された機体色はグレイ・ウルフのように彼の好みとは違った色味だったらしい。また、機体には彼の一年戦争時代のパーソナルマークが施されていた。しかし、周囲からはニュータイプの素養に期待がかけられており、ニュータイプ能力を拡大するための薬物投与から後遺症に陥り、出撃を前にリタイアを余儀なくされている。のちにフリーランスの傭兵「ライトニング」として復帰した彼は宇宙世紀0097年に別の任務でΖガンダムを駆ることとなった。

なお、サイコ・ニュートライザーはグリプス戦役時での技術レベルでは不可能と言える高度なサイコミュ技術であるため、その存在を疑問視する声もある。

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ストライク・ゼータ 編集

ムック『マスターピース ゼータ・ガンダム』に登場。上記の『ガンダム新体験-0087-グリーンダイバーズ』および『EVOLVE../9』のホワイト・ゼータと同一の機体に大気圏内用の換装を施しテストしていた状態。Ζガンダム本体に大きな改修は施されていないが、ハイパーメガランチャーとミサイルベイを内蔵した大型のサブユニット(シールド)、フライングアーマー、腰部可動式ビームカノン装備など、各部にカラバの注文を反映したオプションパーツを装備している。なお「ストライク・ゼータ」の名称は宇宙世紀0088年上半期のアナハイム・エレクトロニクス社株主向けの報告資料に記載されていたものだという。

その他 編集

MSΖ-006-2 Ζガンダム2号機
ムック『マスターピース ゼータ・ガンダム』に登場。ここで登場するものは電子戦用テスト機。サブユニット(シールド)を大型ディスクレドーム装備のものに換装したアナハイム・エレクトロニクス社の機体。
書籍『機動戦士Ζガンダム大事典』(ラポート)には中表紙の池田繁美によるイラストで「02」のマーキングが入った赤いゼータガンダムが登場。
ウェイブシューター装備型
可変後退翼装備のフライングアーマーと、専用サブユニットを装備した状態。ストライク・ゼータでテストされた装備と併せ、後のΖプラスの仕様に反映されている模様。1/144スケールのプラモデルキット「HG Ζガンダム」の開発にあたり、該当のサイズで変形可能なように1/144Ζプラスをベースに設定・デザインされた。フライングアーマー部分にはこの他にも複数のバリエーションが存在したという。
FA-006ΖG フルアーマーΖガンダム
雑誌「ガンダムマガジン」に登場。フライングアーマーを外し、MS形態の機体装甲の強化を目的とした増加パーツを取り付けた形態。流出したアナハイムのパンフレットにその機体紹介が存在するが、マニアによるフェイクである可能性が指摘されている[5]。なお、漫画『超戦士ガンダム野郎』でも登場し、外した装甲パーツは合体してサブフライトシステムになる。

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ΖII 編集

テンプレート:機動兵器

Ζ-MSV』に登場。Ζ計画に基づいて開発されたΖガンダムの発展機。変形機構をメタスに準じたものに変更して簡略化し、生産性や操縦性が向上している。性能的には同時期の他のMSと比較しても遜色無く、生産性の問題もクリアーされており、十分実用レベルに達していた。しかし、財政的に逼迫していたエゥーゴ上層部の意向により、さらに多機能なΖΖガンダムの開発が優先され、機体自体は廃案となるが高性能の試作機は完成したとの説[6]もある。その後、宇宙世紀0095年に本機のコンセプトが流用され、可変式量産型MSリゼルとして地球連邦軍で採用されるに至っている。

WR形態は空間戦闘に特化した形態となっており、加速性能も高く、航宙戦闘機として良好な性能を持つ。ただし、大気圏突入能力および大気圏内の飛行能力が省略されている。Ζガンダムに因み、便宜上WR形態と呼ばれることが多い。

この形態では機体各部のジェネレーターとメガビームライフルを直結させることによって、エネルギーチャージを十分行うことができ、ハイパーメガランチャーに匹敵する性能を発揮する。

劇中での活躍
漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』では、宇宙世紀0088年10月、エゥーゴによるアクシズ攻略作戦で使用された。本作戦ではソーラ・システムIIの運用が予定されていたため、ビーム撹乱幕形成の必要性が生じ、メタスやパブリクを中心とした突撃機部隊へと編成。ビーム撹乱弾頭が1基搭載され、作戦の都合上クレイバズーカを二丁装備し、更にΖガンダムと同型のビームライフルも装備していた。撹乱幕形成後、ネオ・ジオンのバーン・フィクゼス大尉の乗るドライセンと交戦しあと一歩まで追い詰めるが、ソーラ・システム発射の段階が近付いたために帰投した。パイロットはケイ・キリシマ大尉。

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リゼル 編集

テンプレート:機動兵器

機動戦士ガンダムUC』に登場。リ・ガズィの系譜のRGΖ系列に連なる機体。少数が量産されており、「シャアの反乱」後のロンド・ベル隊所属の強襲揚陸艦ネェル・アーガマに隊長機を含め8機の配備が確認されている。

ΖプラスR型やリ・ガズィのようなバックウェポンシステムによる準可変機構ではなく、可変機構の弾力的運用を前提に、グリプス戦役時に廃案となったΖIIの設計をリファインする形で一応の量産化を成功させている。巡航形態はΖガンダムのWRとは異なり、ΖIIと同様、メタス系のMAに近い。構造が比較的簡易なメタス系列の可変機構を参考とし、内装の一部をジェガン系列と統一化することにより、従来の可変機の多くにあった高コストゆえの生産性の低さをクリアしている。加えて、リミッターによる機体の限界性能の引き下げと新型OSによるコントロールサポートによってΖ系列機特有のピーキーな操作感も幾分緩和されており、新兵でも難なく扱うことができる。しかし、熟練パイロットの一部ではOSによるコントロールををはずして特有のピーキーな操縦を好んだという逸話がある。

名称は「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー (Refine Zeta Gundam Escort Leader)」の頭文字の略称 (ReZEL) である。スラスター推力に余裕があり、その名が示すようにバックパックにジェガンを牽引できるグリップが設けられており、サブフライトシステムとしても運用できる。

Ζ系列の機体でありながら、ジム/ジェガンの系譜にも属する本格的な量産機であり、頭部エクステリアは所謂Ζ系ガンダムフェイスではなく、多くの連邦軍量産機に見られるゴーグル式カメラアイを採用している。エースパイロット用に性能を再調整した特別仕様機(コマンダータイプ)があり、主に部隊の隊長機として運用される。こちらは先述のリミッターの上限を高め、機体のフレーム構造の見直しが図られている。また、各部のセンサーは通常機のレッドからグリーンに変更されている。

携行火器はビーム・ライフルのほか、ミッションによっては長距離狙撃も可能なメガ・ビーム・ランチャーを替わりに装備する。

当初の画稿・設定では、一般機はボックスユニットとビーム・ライフル、コマンダータイプはウイングユニットとメガ・ビーム・ランチャーを装備しているが、固定装備ではなく、ミッションによって変更される[7]

MA形態での大気圏突入は小説の設定では可能となっているが、他では不可能とする設定もある。なお、地球上での飛行能力の有無は不明(一部ではウィングユニット装備なら飛行可能という説もある)。小説では、ミヒロ・オイワッケン少尉が、ユニコーンガンダムのバナージ・リンクスに対し、重力の井戸に落ちそうになったら、近くにいるリゼルに乗って大気圏突入するように指示している。

バックパック
ミッションによって換装可能となっていて、以下のものが確認されている。
  • 「ボックスユニット」標準型とされ、多くの機体が装備している。
  • 「ウイングユニット」大気圏突入と大気圏内飛行が可能なウイングバインダー装備のもので、宙間運用でも性能が向上するため、熟練パイロットが多く使用する。
  • 「ディフェンサーユニット」宇宙空間戦で、最前線や重要拠点に先制攻撃を行なう強襲用装備。スラスターを複数配置し、大出力により短時間での戦場到達が可能。腰部サイドアーマーもテールバインダーに換装され、作戦空域でのMS形態の高機動性に貢献する。同ユニットに換装したリゼルのみの小隊運用を前提とするため、ボックス、ウイングの両ユニットには設定されているグリップが装備されていない。兵装により2種類に分類される。
    • 「a装備(aユニット)」近接・中距離での広域拡散型兵装で、大量のマイクロ・ミサイルを格納したコンテナと、ハイパー・ビーム・サーベルを装備している。ハイパー・ビーム・サーベルはΖΖガンダムの同名兵装を元にしているが、ビーム・キャノン機能はオミットされている。
    • 「b装備(bユニット)」中・長距離の一点集中型兵装で、増設されたジェネレーターにより、ビーム兵装の稼動効率が強化され、バインダー内装のビーム・キャノンのほか、ボックス、ウイングの両ユニットでは単装運用されるメガ・ビーム・ランチャーを2門装備できる。
デザイン
腰部から脚部スラスターにかけての形状はΖΖガンダム、FAΖΖ(ファッツ)等のMSΖ-010系列に酷似しており、様々な系列のアナハイム社製MSの設計ノウハウやデザインがフィードバックされた形となっている。
デザイン発注時の仮称は「ZIII(ズィートライ)」でありΖIIを意識した名称である。
劇中での活躍
ロンド・ベル所属の戦闘艦ネェル・アーガマの艦載機として登場。8機+予備機数機が搭載されていた。インダストリアル7、およびその宙域においてネオ・ジオン残党である袖付きのMSクシャトリヤシナンジュなどと交戦するが、メガ・ビーム・ランチャーとスピードを抜けば「変形しなければただのジェガン、変形してもただのメタス」でしかない機体の性能差、そしてそれ以上にパイロットの技量差が大きく、結果的に8機は全損に追い込まれる。その後、予備機がパラオ攻防戦やネェル・アーガマ攻防戦において戦闘に参加しているが、これといった戦果はない。漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』ではアナハイム社所属機のシルヴァ・バレト(ジムヘッド型)3機と交戦しているほか、対シナンジュ戦ではディフェンサーaユニットやディフェンサーbユニットを装備している。

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プロトΖガンダム 編集

テンプレート:機動兵器

『Ζ-MSV』に登場。「Ζ計画」で開発された非変形のプロトタイプ。この試作機にガンダムMk-IIから得られたムーバブルフレームの技術と民間人の少年カミーユ・ビダンのアイデアを組み合わせ、驚くほど短期間でΖガンダムは誕生した。

3機作られた試作機にはそれぞれ、百式の原型となったタイプ、リック・ディアスタイプ、ネモタイプの頭部センサーが取り付けられてテストされた。完成機は結果的に百式タイプの物を原型とする形で採用した。一方、百式の頭部はさらにIDEシステム(Image Directive Encode=画像管理型符号化装置)なる機構を新たに盛り込み完成している。

なお、Ζプラスに対してΖガンダム自体を「プロトΖ」と呼称する場合もある[8]

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量産型Ζガンダム 編集

テンプレート:機動兵器

『Ζ-MSV』に登場。Ζガンダムの量産機として製造された機体。厳密には可変機構を持つ完成形のΖガンダムではなく、プロトΖガンダムが考案された当時の攻撃型MSとしての仕様をそのままに量産機へと反映させたプランである。ガンダム系の意匠であるツインアイや額アンテナはない。一部の資料によると試作機のロールアウトが確認できるが、予想以上にコストは高騰化し、結果として百式系の量産化プランへと譲る形で廃案となったものの、ΖガンダムのMS形態の性能に着目した量産化というコンセプトは、リ・ガズィへと引き継がれることとなった。

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その他の派生機 編集

MSA-0011 Sガンダム
Ζガンダムのコンセプトを発展させた直系の後継機。合体・変形機構を備えている。

詳細はSガンダムを参照

MSZ-010 ΖΖガンダム
Sガンダムの対抗機であり、本来の名称はθガンダム。Ζ (ζ) ガンダムに肖る形でΖΖ(ダブルゼータ)の名を冠してはいるが、機体コンセプトはRX-78 ガンダムに近い。

詳細はΖΖガンダムを参照

RGΖ-91 リ・ガズィ
ΖプラスバリエーションのひとつであるR型のコンセプトを継承し、Ζガンダムのフレームを流用した量産機の開発を指標とした試作機。

詳細はリ・ガズィを参照

MSΖ-006A1 (MSK-006) ΖプラスA型 / MSΖ-006C1 ΖプラスC型
カラバ・連邦で採用された制式量産型のΖガンダム。Ζガンダム3号機等でテストされた機構を反映し、まず大気圏内用の機体として多数の改良が施され実戦配備された。 初期の機体によってアウドムラに編成された第18飛行小隊の隊長は、Ζガンダム3号機のテストパイロットも務めていたアムロ・レイだったとされている。その後、連邦軍に採用された宇宙用のC型など、数多くのバリエーションが存在している。

詳細はΖプラスを参照

ハーフゼータ
漫画『機動戦士ゼータガンダム1/2』に登場。型式番号、正式名称は不明であり、この名称はパイロットであるエドガー・エドモンド・スミスによる。
アナハイム製の可変MSの試作機をカラバが譲り受け、外装をΖガンダムに似せた機体。部分的に百式に共通する意匠も持ち合わせている事などから、基になった可変試作機は百式の建造時に利用されたものと同様の機体ではないかという説がある。
機首や主翼を巨大なシールドにまとめることで可変機構を簡略化しているが、被弾しすぎると揚力を失って飛べなくなるという欠点を持つ。その他、巨大なシールドを取り回すために非常に腕力が強いと言った、ある意味本末転倒な長所を持っている。試作機ゆえに性能に偏りがあり、総合的にはネモの方が断然良いと言われながらも、戦争終結まで戦い抜いた。
MSΖ-007 レイピア
Ζガンダムの完成後にロールアウトした同意の位置にあるとされるMS。量産型Ζガンダムと型式番号のバッティングが指摘されているが、恐らくは時系列的にそれ以前に廃案となった量産型Ζガンダムに代わり「MSΖ-007」の型式番号が引き継がれたものと推測される。また、別事象であるが「θガンダム」と「ιガンダム」にも開発コードであるギリシャ文字順と完成順に逆転が生じているなど、当時の複雑で混乱した開発状況が見受けられる。
本来の名称はηガンダムであるが、「レイピア」「レイピアI」「ΖレイピアI」とも呼称される。

詳細はΖ計画#レイピア(ηガンダム)を参照

AMX-107 バウ
ネオ・ジオンの可変MS。アクシズ工廠内で開発・製造が行われたが、そのコンセプトや各部の形状はΖガンダムおよびΖΖガンダムの影響が垣間見え、その関連性が指摘されている。一説にはアナハイム・エレクトロニクスを離反し、アクシズに復帰した旧ジオン公国系技術者の手によって、一部の記述や設計が漏洩したという情報もある。

詳細はネオ・ジオンの機動兵器#バウを参照

MSΖ-006PL1 Ζプルトニウス
漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』に登場。宇宙世紀0099年に衛星軌道警備隊に導入された可変MS。Ζプラスのフレームを利用したΖ>(ゼータプロンプト)とは違い、フレームを再設計して大型化することによって両変形モードでの強靭さと死重量のなさを売りにしている。大気圏突入も可能と推測されるが、劇中に描写はない。なお本作は、Ζガンダム系列が量産されたという独自の設定のため多数の派生機が登場する。
TMS-007X Ζグスタフ
漫画『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』に登場。ジオン直系の技術で建造された新鋭可変MS。アニメ版におけるΖガンダムの位置に相当する機体だが、「ガンダム」の名は冠していない。一年戦争時のア・バオア・クー攻防戦において、破棄されたRX-78-2(ガンダム)のAパーツ残骸を脱出間際のジオン兵が回収。そこから得られたデータを基にフラナガン機関のニュータイプ研究の成果等を結集し完成させた。頭部はガンダム的な意匠をベースとしながらも、ジオンMSらしく額にはモノアイも設置されている。なお、本作はファーストガンダムから別の歴史を辿った『Ζガンダム』のアナザーストーリーであり、エゥーゴはジオン残党直系の組織などアニメ版とは異なる勢力構図として物語が描かれている。
A/FMSΖ-007II
漫画『機動戦士ガンダム ジオンの再興』などに登場。Ζガンダムの本格量産型。部品を地球連邦軍の規格に変更、コストダウンと軽量化に成功したが、耐久性は低下している。主武装は実体弾を射出するEG-120 スマートガン(新ジオンの再興ではハイパーメガランチャー)。WRでの姿勢は、アニメとは上下反対だが大気圏突入時はアニメと同じ姿勢になる。フライングアーマーは、宇宙用と大気圏内用があり、大気圏内用は翼の部分が可変後退翼になっており、かつてのF-14を思わせる姿をしている。 また、両フライングアーマーともハードポイントがあり、爆弾、ミサイル、増槽が搭載可能。作中では、大気圏突入をしてスカンジナビア半島のジオン軍基地を攻撃、作戦終了後フライングアーマーなど装備を換装のうえ、地球上での長距離攻撃任務に就く汎用性を見せている。また、空挺師団の主力機として複数が運用されており、制空権確保のための制空戦闘も行っている。漫画『機動戦士ガンダム 新ジオンの再興』では、大型のキャノン砲を装備した長距離射撃用Ζガンダムや、円盤状のレーダーを備えた早期警戒管制機リコン・ゼータも登場している。

注釈 編集

  1. 『機動戦士Ζガンダム』原作者・監督の富野由悠季の言には「変形した方が速く見える」とするものがあるテンプレート:要出典
  2. 月刊「モデルグラフィックス」別冊『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』表紙のΖプラスが初出。同誌による設定ではウェイブライダーではない形態に変形するΖΖガンダムSガンダムにもこのマークが付けられており、「アナハイム・エレクトロニクス社製で変形するガンダムタイプMS」といった意味合いに変化している。
  3. 本ムックは宇宙世紀0100年代にサイド6で出版されたΖガンダムに関する特集本という設定となっている。
  4. 特に肩が小さなボールジョイント接続だったために、ビームライフルを片手で持つ程度でも角度が保てなかった。
  5. ムック『マスターピース ダブルゼータ・ガンダム』より。
  6. ゲーム『機動戦士ガンダム デザートオペレーション』追加シナリオ解説書より。
  7. 『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』25ページより。
  8. ガンダム・センチネル』での表記。
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