アフターコロニーの勢力(せいりょく)はアニメ『新機動戦記ガンダムW』をはじめとするアフターコロニー作品に登場する架空の国家、組織を記述する。
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国家および連合[]
地球圏統一連合[]
A.C133年にコロニー間での紛争を阻止するために発足した。それと同時に統一連合軍も創設される。 紛争解決を名目にした組織であったが、紛争が下火になると組織存続のために小国や宇宙コロニーを戦争に追い込むといった暴走行為が行われていく。また、軍事力の異常拡大により、全世界を軍国主義で圧迫するまでに至っていた。
地球圏統一連合軍内部にはOZが隠れ蓑としている「スペシャルモビルスーツ部隊」(スペシャルズ)も存在する。
物語当初は地球全土を支配下に置いている非常に大規模な軍事力を誇る勢力として君臨していたが、ニューエドワーズ基地での総司令官ノベンタや地球方面軍司令官ベンディを始めとする上層部がガンダムパイロットにより死亡、宇宙方面軍司令官セプテムもOZに暗殺されたことから統一連合軍の首脳陣が壊滅。スペシャルズ(OZ)のクーデターにより地球上の拠点は各基地が状況把握すら出来ない情況に追い込まれ、OZに各個撃破されてしまう。
その後も宇宙軍はコロニーに駐留を継続し、支配権を強めていたがOZの宇宙用モビルスーツ「トーラス」とモビルドールシステムにより圧倒的な劣勢を強いられる。
コロニー革命集団「ホワイトファング」が決起すると連合軍残党の一部はホワイトファングに加わったりした者がいた模様である。
地球圏統一国家[]
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場。国際連合的な性格が強かった地球圏統一連合を一歩進め、地球全体で1つの国のようにより密接な連携を深めた組織。国家政府直属の諜報組織「プリベンター」が存在する。
政治形態としては大統領制を採っており、大統領は選挙で選ばれる。首都はブリュッセル。ここに地球圏統一国家大統領府(通称「ブリュッセル大統領府」)が置かれており、大統領は普段ここで公務をこなす。
なおブリュッセル大統領府の建屋は、不測の事態に備えて、建物そのものが地下数十メートルまで潜り、その上を5重のシャッターで封鎖することによって、堅固なシェルターとすることも可能である。真のオペレーション・メテオを目論むマリーメイア軍に乗っ取られ、司令部機能を持つ防空壕として利用されてしまった。
コズミック・イラにおいても同名の組織概念が登場するが、関係はない。
組織[]
ロームフェラ財団[]
欧州の王侯貴族ら特権階級が母体となり設立され、本来の結成目的は美しい自然や古き良き伝統の保護だった。しかし、その後、既得権益保護と拡大を目的とする色彩が極めて濃くなり、トレーズ・クシュリナーダや一部のメンバーはその事を憂えていたようである。
その権益の多くは戦争の管理により生産・拡大されるものである。A.C.195年中期には、新型の無人機動兵器であるモビルドールを用いて、特務機関であるOZをほぼ完全に牛耳るオペレーション・ノヴァを実行。新生OZの軍事力を増強と同時に各国への示威行動が目的でデルマイユとツバロフ技師がその中心となっていた。この作戦で使用されたモビルドールはすべて宇宙で生産されたビルゴであり、これらを地球に降下させることで地球上での戦力増強を図ることも目的の一部であったと思われる。しかし、この作戦は大きく動いていたため、デュオ・マックスウェルやゼクス・マーキスが何とか阻止しようと輸送船を破壊して回っていたが、それでも阻止することは出来なかった。最終的には、この作戦は成功したといえる。
デルマイユによりカリスマ性を見抜かれたリリーナ・ピースクラフトを傀儡として財団代表にしたが、デルマイユの思惑が外れリリーナがOZに武装解除を求めコロニー側との和平解決を求める演説をしたためにデルマイユが失脚、これに乗じたトレーズが復活しリリーナも失脚した。
デルマイユ侯の指示のもと、行ったモビルドールによる紛争鎮圧のための軍事行動であるが、実は財団の力を世界各国に見せつけ、反旗を翻したトレーズ派の粛清が目的であった。
OZ[]
地球圏統一連合軍の特務機関。総帥はトレーズ・クシュリナーダ。黄道帯機構(Organization of the Zodiac)の略称。
OZの前身は、地球からコロニーへ物資を搬送するコロニー機械搬入会社だった。宇宙作業用モビルスーツを戦闘用モビルスーツに変換し、兵器とし初めてモビルスーツを開発。ロームフェラ財団の全面的支援下により、軍事秘密結社OZとなる。
その後、地球圏統一連合に対し民間軍事会社として高水準の装備と人員をサービスする業務を実施、これを「SMS(スペシャルズ)」と称した。その後、ニューエドワースにて、ノベンタ将軍を中心に行われたコロニー勢力対策会議の際、各連合軍基地において反乱を誘発させ、制圧後、地球圏を実質的に支配する存在になる。
当初5人のガンダムパイロットの標的もOZだったが、財団内の争いでトレーズの一時的な失権による財団の直接支配による内紛、またその後のトレーズ復権による迷走を続け、ホワイトファングとの最終決戦の際にトレーズが張五飛に敗れ戦死、OZが敗北を認め戦争が終結したために解体された。
OZの階級と爵位[]
OZに所属する兵士に関する特徴としては、地球圏統一連合軍組織内で一階級以上上の待遇を受ける点、また最下階級の「特士」でも「騎士」の称号を、特尉以上は貴族としての名誉と称号を与えられる点が挙げられる。
SMS/OZ階級 | 爵位 | 主な叙位者 | 連合軍階級 |
---|---|---|---|
上級特佐 | 公爵 (Duke) | トレーズ | 少将 |
一級特佐 | 侯爵 (Marquess) | - | 准将 |
二級特佐 | 伯爵 (Count) | レディ・アン | 大佐 |
准級特佐 | 子爵 (Viscount) | - | 中佐 |
上級特尉 | 男爵 (Baron) | ゼクス | 少佐 |
一級特尉 | 准男爵 (Baronet) | ノイン | 准佐 |
二級特尉 | 騎士爵 (Knight) | オットー | 大尉 |
特士 | 騎士 (Sir) | ワーカー | 中尉 |
OZ関連施設・大規模兵器[]
- レイク・ビクトリア基地
- アフリカ大陸・ビクトリア湖湖畔にあるOZの基地。初登場はTVシリーズ第4話。
- 新型宇宙用MS OZ-12SMS トーラスの生産およびそのパイロットの養成が行われており、ルクレツィア・ノインはここで教官を務めている。主な登場話は、第4、10、11、13話。
- 沿海州要塞島
- TVシリーズ第9話に登場。至近に教育施設があり、同要塞の破壊を企図したヒイロとデュオがそこへ転入した。
- シベリア基地
- TVシリーズ第10話に登場。地球上で生産されたトーラスはここに運ばれ、新しい機動システムを組み込まれて宇宙へ打ち上げられた。
- バークレー基地
- TVシリーズ第16話に登場。南極大陸にある、既に閉鎖された資源採掘基地。
- シンガポール宇宙基地
- TVシリーズ第17話に登場。 OZの最新鋭の宇宙基地。
- 宇宙要塞バルジ
- 初登場はTVシリーズ第10話。詳細は宇宙要塞バルジを参照。
- 月面基地
- 初登場はTVシリーズ第17話。基地責任者はOZ MS技師長ツバロフ。
- 月面のクレーター群を中心に建設されている。月面に表出している部分は僅かであり、施設の大部分は地下に深く広く存在する。その巨大な技術力・生産力を利して、新型MS・MDの開発や生産が行われた。警備用MS・MDを除けば砲座などの武装は特に存在しないが、緊急時を想定したツバロフの細工が基地の随所に存在する。
- 宇宙戦艦リーブラ
- 初登場はTVシリーズ第38話。「戦艦」の名を持つが、そのサイズ・攻撃力は既存の艦船の規模を遥かに超える。詳細はリーブラを参照。
- 資源衛星MO-II
- 初登場はTVシリーズ第45話。
OZプライズ[]
『新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』に登場する。OZの独立部隊。
ロームフェラ財団直属の部隊であり、OZの戦略とは関わりなく独自に行動している。OZ内部でもその全貌を知る者は少なく、実質的にはロームフェラ財団総帥代行デルマイユ侯の私兵となっている。当初は星屑の三騎士が中核をなしていたが、ドクターペルゲの情報操作により財団から切り離され、ペルゲと彼が呼出したヴァルダー・ファーキル特佐が実権を握る事となる。
ピースミリオン[]
ハワードとプロフェッサーGにより開発された巨大戦艦。劇中終盤にてOZとホワイトファングの決戦に向かうガンダムパイロットの母艦となる。戦艦としてのピースミリオンはピースミリオンを参照。
ホワイトファング[]
かつての宇宙コロニーの指導者ヒイロ・ユイの右腕と呼ばれていた人物、カーンズが設立した組織。20年前から存在するコロニー市民の独立運動組織が母体となっており、後に旧連合軍残党やOZトレーズ派、スイーパグループなどを糾合してAC195年に武力蜂起した。地下組織にもかかわらず人員・装備ともに大規模だが、上記経緯により参加者の主義・思想は必ずしも一枚岩ではなかった。
物語中盤までは表立った活動を行っていなかったが、アルテミス・レヴォリューションを発動してOZ宇宙軍司令官ツバロフの身柄を拘束すると同時にOZの月面基地、更に建造中だったOZの宇宙戦艦リーブラを電撃的に掌握し、その成果を地球圏全土に喧伝することで一気に歴史の表舞台に踊り出た。その後カーンズはサンクキングダム攻防戦以後気力を失っていたゼクス・マーキスことミリアルド・ピースクラフトを、彼が所有していたガンダムエピオンとともに組織の指導者・象徴として引き入れ、ミリアルドによって率いられたホワイトファングはリリーナ・ピースクラフト、次いでトレーズ・クシュリナーダを元首とする世界国家に宣戦布告する。なお、ミリアルドを引き入れた際、それに反対した一部のメンバーが組織を離脱している。
世界国家との戦争は世界国家軍の降伏により勝利するものの、リーブラ主砲を始めとするリーブラの戦闘能力の喪失、MD制御室の破壊による全モビルドールの機能停止によりその戦力は壊滅。カーンズも戦闘中に行方不明となり、最終的にはヒイロ・ユイとの決闘に敗北した総帥ミリアルドがリリーナに指揮権を譲渡したことで、ホワイトファングは消滅した。
アルテミス・レヴォリューション後は、月面基地より奪取したMDビルゴ、およびビルゴIIを主戦力としていた。
構成員のトレードマークは左腕に巻いた白いスカーフ。
関連項目[]
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