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グレイファントム

  1. Gray Phantom - アメリカ合衆国1950年代前半に活躍した競馬競走馬ネイティヴダンサーの異名の一つ、灰色の亡霊。グレイゴースト(Gray Ghost、灰色の幽霊)とも。
  2. Grey Phantom - アメリカ合衆国で1950年代後半に活躍した競馬の競走馬。母はグレイフライト。母及び上記1.が名の由来。
  3. GRAY PHANTOM - 日本OVA機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する架空宇宙空母。本項で詳述する。

グレイファントム (GRAY PHANTOM) は、OVA機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空宇宙空母地球連邦軍所属のペガサス級強襲揚陸艦であり、準ホワイトベース級強襲揚陸艦にも分類される。G-4部隊(G-4実験部隊)に所属しており、部隊指揮官はスチュアート少佐。また、モビルスーツ部隊としてスカーレット隊が所属している。

初期設定での名称はトロイホースであったため、現在でもそう呼ばれることがある(艦籍番号:LMSD-76)。

機体解説[]

テンプレート:機動兵器 グレイファントムは、ペガサス級強襲揚陸艦の5番艦である(但し、OVAの設定ではホワイトベース級強襲揚陸航宙空母である)。さらに準ホワイトベース級強襲揚陸艦でもあるとされる。

艦籍番号(ハルナンバー)はLMSD-76とされるが、これはモビルスーツ搭載強襲揚陸艦としての設定である。講談社発行の書籍『機動戦士ガンダムMSVコレクションファイル 宇宙編』(1999年)によって付けられたものであり、それ以外の資料で明記された事はない。

なお、本艦の艦名は当初トロイホースであったが、かつて「ペガサス」が「ホワイトベース」に変更されたのと同様に、商標の関係で変更された。大日本絵画発行の雑誌『月刊モデルグラフィックス』1989年4月号に「トロイホース改めグレイファントム」とする記述がある。また、部隊マークのTHはその略である(ちなみにホワイトベースの部隊マークはWBであるらしく、ガンダムにWB102というマーキングがされている)。しかし、後述するSCVA-73 トロイホースとの関係ははっきりしておらず、同一艦であるとも別の艦であるともいわれる。

準ホワイトベース級(改ホワイトベース級、サラブレッド級、改ペガサス級、ホワイトベース級準同型艦と表記される事もあり)は、ホワイトベース級4番艦であるSCVA-72 サラブレッドが1番艦であるとされ、以降、2番艦SCVA-73 トロイホース、3番艦スタリオン、4番艦アルビオンなどが存在する。そしてネェル・アーガマは地球連邦軍(ロンド・ベル)編入後に艦籍番号SCVA-76が与えられ、「サラブレッド級の5番艦」という扱いになっている。

グレイファントムが何番艦であるかは現在の所不明である。但し、講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム0083 MS WARS』ではトロイホースがペガサス級4番艦(改ペガサス級1番艦)、グレイファントムがペガサス級5番艦(改ペガサス級2番艦)とされており、サラブレッドは存在しないとされる。このうち、一年戦争中に完成したのはサラブレッド、トロイホース、グレイファントムのみであるらしい。

また、準ホワイトベース級と呼ばれる艦は、基本的にその艦ごとに仕様が異なり、外見にも差異がある。特にネェル・アーガマに関しては、本来正規軍ルートで後継艦として建造された物でもない。その為か、講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』では本艦を「ホワイトベース準同型」ではなく、別に「グレイファントム型」として分類している。

富士急ハイランドの劇場アトラクション『GUNDAM THE RIDE』(2000年)に登場するSCV-73 ブランリヴァルをペガサス級5番艦とする説もあるが、こちらは多くの資料でホワイトベース級とされている事が多く、艦籍番号はSCVである。準ホワイトベース級であるグレイファントムとの関係は不明である。

スカーレット隊[]

グレイファントムに搭載されているモビルスーツ部隊には、スカーレット隊という名称が与えられている。量産型ガンキャノンが2機、ジム・スナイパーIIが4機(2機はジム・コマンドであるという説もある)配備されている。部隊マークはTHであるが、これはトロイホースの略であるとされる。

艦名について[]

「グレイファントム」は、一部資料では「トロイホース」と称されているが、そちらはアニメ制作時の初期原稿での呼称であり、制作中にグレイファントムに変更された。理由は当時、「ホワイトベース級の艦は全て色名を付ける事で決まったため」と発表されたが、他にも、『モビルスーツバリエーション』(MSV)にて設定が作られたSCVA-73 トロイホース(後述)に関する記述と作中の設定が異なるため、あるいはトロイの木馬は英語でTrojan Horse(トロージャンホース)であるため、TROY HORSEと言う名称はおかしいので変更したのでは、などと様々な説が語られた。しかし、実際には出渕裕などのインタビューによると、単に高山文彦監督の趣味というのが真相であるらしい。

なお、漫画版(コミカライズ版)『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』においては、制作時期の都合によりトロイホースの名称のまま登場している。

艦名設定の変遷[]

出渕裕によって描かれた設定画で一般に出回っているものは以下の3種類が存在する。以下の設定画は基本的に同じものであるが、船体に描かれている文字が異なる。

  1. 船体に「TROY HORSE」と描かれているもの(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』における準備稿、カラー設定画)。
  2. 船体に「GRAY PHANTOM」と描かれているもの(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』における決定稿)。
  3. 船体に何も描かれていないもの(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』における決定稿)。

このうち、1990年代前半頃まで主に使用されたのが「TROY HORSE」と描かれたものである。この設定画はOVA制作の初期に変更前のトロイホースの名前と共に多くのアニメ雑誌や模型誌などで掲載され、グレイファントムに変更された後もそのまま使われていた(例として『月刊モデルグラフィックス』1989年4月号に「トロイホース改めグレイファントム」とする記述があるが、設定画は「TROY HORSE」のままであった)。この設定画が「GRAY PHANTOM」に書き直されたのはOVA第1話発売の後であるらしく、カラー設定画は1999年に発売された書籍『機動戦士ガンダムMSVコレクションファイル 宇宙編』において初めて描き直された。このような経緯により、長い間混同が生じる結果になった。

混同の代表的な例がバンダイ発行の書籍『ENTERTAINMENT BIBLE.37 機動戦士ガンダム メカニック大図鑑』(1991年)における本艦の扱いである。この書籍でグレイファントムはペガサス級強襲揚陸空母「トロイホース」として紹介されており、カラー口絵ではカラー設定画である「TROY HORSE」と描かれたものが使われている。しかし、モノクロページでは決定稿である「GRAY PHANTOM」と描かれたものが使われている。また、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する艦は特に名称は決められてないが、メカニック大図鑑の影響により多くの資料でトロイホースとされてきた。さらに、バンプレストバンダイゲームスーパーロボット大戦シリーズ』と『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』でも長い間トロイホースとして登場している事も大きく影響を与えている。

また、漫画版『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』においては、OVA版とは異なるシーンにグレイファントムではなくトロイホースとして登場している。そのため、コミックボンボン編集部としてはトロイホースとグレイファントムを別の艦として設定する必要がでてしまい、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』完結後に発売された書籍『機動戦士ガンダム0083 MS WARS』(1993年)において、旧『モビルスーツバリエーション』の設定を流用しながらもSCVA-72 サラブレッドの存在を漫画版『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のトロイホースに、SCVA-73 トロイホースをOVA版グレイファントムに置き換えた。

しかし、近年は旧設定が再認識される傾向にあり、雑誌や書籍などで「トロイホースはグレイファントムの誤りである」「トロイホースはグレイファントムである」と認識される事が多くなった。『SDガンダム GGENERATION』シリーズではトロイホースという名前で登場する場合は、「劇中ではグレイファントムと呼称されている」と説明されているが、この説明ではどちらが正式名でどちらが通称なのか分からない。作品によってはグレイファントムとして登場することもあるが、この場合は「トロイホース級のグレイファントム」という独自の解釈になっている。

トロイホースとの関係[]

但し、前述したように、「トロイホース」と呼ばれる艦は他にも存在する。『モビルスーツバリエーション』におけるホワイトベース級宇宙攻撃空母5番艦・準ホワイトベース級宇宙攻撃空母2番艦トロイホース(艦籍番号:SCVA-73)である。この設定はバンダイ模型部発行の雑誌「模型情報6月号/特別編集モビルスーツバリエーションハンドブック第四集」や講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 3 連邦軍編』(共に1984年)などに登場する。この艦は文字設定のみの存在ではあるが、上記のトロイホース(グレイファントム)と同名であるがため混同される事が多く、設定も似通っている。

もっとも、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』自体が当初『モビルスーツバリエーション』のリメイクを意識しており、同名になっているのも意識的に行われたものとされている。例えば、MS-14JG ゲルググJも当初、MS-14B ゲルググ高機動型として発表されており、RX-78NT-1 ガンダムNT-1もRX-78 ガンダム4号機として設定されていた(G-4という部隊名やマーキングがその名残)。その後、OVA第一話発売前に現在の設定に変更された事は、OVAの作品解説に書かれている通りである。

両艦で似ている点は以下の通りである。

  1. ペガサス級(ホワイトベース級)5番艦である。
  2. さらに、準ホワイトベース級でもあり、SCVA-72 サラブレッドと同型艦である。
  3. 一年戦争中に完成し、実戦に投入されている。

但し、以下の点で異なっている。

  1. 『モビルスーツバリエーション』の設定ではトロイホースは後方で輸送に使用されており、実戦に参加したかどうかは不明である。グレイファントムにはモビルスーツが配備されており、実戦に参加している。
  2. 講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム0083 MS WARS』(1993年)ではトロイホースがペガサス級4番艦(改ペガサス級1番艦)、グレイファントムがペガサス級5番艦(改ペガサス級2番艦)とされており、サラブレッドの存在は否定されている。
  3. 講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』(2001年)ではサラブレッド及びトロイホースが「ホワイトベース準同型」、グレイファントムは「グレイファントム型」として別に分類されている。

しかし、2004年に発売されたゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』及び、漫画・小説『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』によりSCVA-72 サラブレッドが再設定され、グレイファントムは準ホワイトベース級強襲揚陸艦となった。

劇中での活躍[]

実際には活躍というよりほんの数カット(それも小さく)登場するだけで、上記諸設定はほぼ無意味である。

一年戦争(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』)[]

ガンダムNT-1を受領するためにサイド6のコロニー「リボー」に駐留する。第4話「河を渡って木立を抜けて」ではケンプファーの襲撃に当たりコロニー内に進入、搭載するモビルスーツ部隊であるスカーレット隊を発進させ迎撃を命じるも、何ら見せ場も無いまま瞬く間に撃破されスカーレット隊は呆気なく全滅している。

デラーズ紛争(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)[]

グレイファントム及び戦後新造されたといわれる同型艦(名称不明、一説によればスタリオン)の2隻は、デラーズ紛争時の宇宙世紀0083年11月10日、コンペイトウでの観艦式に参加していたが、デラーズ・フリートに強奪されたガンダム試作2号機による核攻撃を受け、他の艦艇共々撃沈されている。

但し、これはいくつかの資料による後付けの設定であり、OVAの設定では単にペガサス級とされ、両艦とも名称や戦後新造されたものなのかどうかも不明である。

関連項目[]

en:Gray_Phantom

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