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ジム・キャノン (GM CANNON) は、TVアニメ機動戦士ガンダム』に端を発したプラモデル企画『モビルスーツバリエーション』 (MSV)、およびTVアニメ『機動戦士Ζガンダム』などに登場する架空の兵器。

地球連邦軍の中距離支援用量産型モビルスーツ (MS)。

本項では、そのバリエーション機についても記述する。

ジム・キャノン編集

テンプレート:機動兵器 一年戦争時、ガンキャノンの量産型という位置づけで開発された。その名称と外観からジムのバリエーションと位置づけられる事が多いが、ガンキャノンの量産化プランはガンダムの量産化(ジム)と最初から別に進行しており、その延長線上にあるのが本機である。本来はガンキャノンの設計に若干の手直しを加える程度で量産する予定だったのだが、戦時下の状況を考慮し、先行していたジムの生産ラインを流用する形で設計を変更。試行錯誤を重ね、このようないわば簡易量産型ともいえる形態へとなった。ジムとの部品共有度は60%で、切り欠きの入った右肩部にガンキャノンと同じ口径の高初速型ロケット砲が1門取り付けられ、脚部に左右分割方式の増加装甲を取り付けることで、地上戦での安定性を保っている。

ジャブロー工廠にて48機が生産され、全機が実戦参加しているという[1]。その内訳はティアンムおよびレビル宇宙艦隊へは14機、北米戦線へは6機、アフリカ戦線には19機配備、残りの9機はジャブロー防衛用に残されたと記録されている。それ以外にもオーストラリア戦線で3機が確認されているが、これらの機体はジャブロー方面のものが一部まわされたとする説もある。

一年戦争中の特筆すべき戦果としては、北米方面に配備された機体がある。反攻作戦開始後から約一ヵ月後に投入された本機はノーマルタイプのジムとの混成部隊を成し、キャリフォルニアベースを奪還した。この北米方面配備機は冬季迷彩を施した姿が有名だが、これはキャリフォルニアベース奪還後から終戦まで使用されたパターンである。また、アフリカ戦線における多くの機体はサンドカラーに塗装されていたが、その中でも「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐の乗機として、他とは異なる黒いパーソナルカラーの機体[2]も有名である。だが、彼が本格的なMSパイロットとして頭角を著すのは、この機体からRX-77Dに乗り継いだ後[3]である。一方、宇宙軍ではソーラ・レイによるレビル艦隊の壊滅で多数の機体が失われた事もあり、地上ほどの特筆すべき目立った活躍は見込めなかったが、宇宙軍第二連合艦隊所属の「不死身の第四小隊」に配備された機体などは有名である。生産数の割にカラーバリエーションが豊富なのも本機の特徴。各地で様々なパターンが確認されている。

戦後にはコクピット部分をリニア・シート方式へと換装するなどの近代化改修を受け、ジャブロー防衛の任に就いている。その中の機体は何らかの経緯を経て連邦軍に編入された元ジオン軍のキラービー隊に配備されたもので、MS-06Dとの混成部隊を編成していたという。一部の資料にはこの機体にティターンズのマーキングが確認できるが、既に事実上放棄され空き家となったジャブローに捨て駒として置き去りにされていたに過ぎない。

なお、このジム・キャノンに続き、大戦末期にはより本来の量産化プランに近い形でRX-77D 量産型ガンキャノンなる機体もロールアウトしている。依然としてジム系列の生産ラインを流用していた事に変化はないが、ガンキャノンに匹敵する高い性能を達成していた。大戦も後期にあたり、ジムの大量生産を経て、いわゆる量産効果によりMS生産に携わる関連企業の技術力・生産力が底上げされた結果、こういった機体の量産が実現したのだという評論もある。しかし、この時点でもまだ量産検討モデルの段階に過ぎず、ジム・キャノンIIなど戦後の機体へとさらに繋がっていく事となる。

劇中での活躍
TV版『機動戦士Ζガンダム』第12話「ジャブローの風」において、連邦軍基地ジャブローを襲撃するエゥーゴのMS部隊に対して応戦している姿が描かれている。なお、通常型のジムIIと区別するため、頭部が赤く塗装されていた。
一年戦争中の映像作品には、OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』に登場する。補給中にモビルアーマービグロに襲撃されて撃破されるなど、活躍シーンは描かれなかった。
ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』では、プレイヤーに配備された機体として登場する。当機を受領したホワイト・ディンゴ隊はオーストラリア反攻作戦で高い戦果を挙げたとされる。なお、通常機と異なりホワイト・ディンゴ隊の部隊色である灰色に塗装されている。
商品展開
バンダイより1983年5月に1/144スケールのプラモデルが、MSVシリーズNo.5として発売された。その後『機動戦士Ζガンダム』での登場に合わせて、パッケージなどが変更されたものが発売された。

試作型ジム・キャノン 編集

プラモデル企画『MSV』で設定された、地球連邦軍の中距離支援用試作MS(型式番号:RGC-80-1)。

連邦軍はガンキャノンの量産型を開発するに当たって、ジムにガンキャノンの頭部やバックパック、2門の肩部キャノン砲を移植した試作機を製造した。この試作の結果、重量バランスや安定性などの問題点が洗い出され、ジム・キャノンの開発に繋がった。

MSVにおいては文字設定のみが存在し、画稿は『SDガンダム』でデザインされたディフォルメされた姿のみであったが、「ガンダムエース」のメカニックデザイン企画『MSV-R』において文字設定やSDガンダムに準じた画稿が新規に描かれた。

ジム・キャノン(空間突撃仕様) 編集

テンプレート:機動兵器 メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用量産型MS。

一年戦争時に開発されたジム・キャノンを宇宙戦闘用に調整した機体。地上での肩部ロケット砲発射時に重量として必要だった脚部の分割式増加装甲を外し、ジム・コマンドと同一のバーニアスラスターをランドセルおよび脚部に装備することで、戦闘時の姿勢制御能力と宇宙での機動性が向上した。オプション兵装だったバルザック式380mmロケットバズーカが当機の兵装として正式採用されている。

星一号作戦に参加するエースパイロット用としてレビル艦隊に5機前後が実戦配備された。


ジム・キャノンII 編集

テンプレート:機動兵器 アニメ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用量産型MS。

一年戦争終結後、ジム・キャノンやRX-77D ガンキャノン量産型のデータを元に支援用MSの集大成として開発された機体。

生産ラインの大部分はジム・カスタムとの共用化が図られており、動力炉及び基本フレームはほぼ同一の構造となっている。ガンキャノンなどと同様、両肩に2門のキャノン砲を装備しているが、より高出力なジム・カスタムのジェネレーターを流用している為、それまでの実体弾砲ではなくビーム・キャノンが採用されている。重力下での精密射撃は腰のスタビライズド・ギアが展開し機体を安定させる。

外装にはガンダムNT-1のフルアーマー・システムのコンセプトが受け継がれており、チョバム・アーマーに類似した重厚な複合装甲を身に纏う(ガンダムNT-1のチョバム・アーマーとは違い、本体への追加装甲ではないので、戦闘時にダメージを受けてもパージすることはできない[4])。武装はジム・カスタムと共通の90mmジム・ライフル、シールドを装備する。更に本機は支援機ながら近接戦闘も想定されており、左前腕部にショート化されたビーム・サーベル1基を格納している。グリプス戦役までの時期にティターンズとエゥーゴの双方によって使用されている。

劇中での活躍
デラーズ・フリートに奪われたガンダム試作2号機の奪還命令を受けたアルビオン隊に2機配備され、チャック・キースと、チャップ・アデルが搭乗した。
更に発足初期のティターンズにも、同時期配備されたジム・クゥエルの支援用として運用されたといわれており、漫画『GUNDAM LEGACY』では、宇宙世紀0084年月面エアーズ市での暴動において、ジオン軍残党狩りに従事するエイガー大尉機が登場。
一方で、劇場版『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』ではジム・カスタムと共に登場し、エゥーゴに配備されている。『0083』登場時と同様のものと、ネモに近いイメージのグリーン系にリペイントされたものが存在。

ルシアン・ベント専用機 編集

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に登場するMS。反ティターンズ組織「ケラウノス」所属の機体。物資や人員の不足から本来の中距離支援用のみではなく、近接戦闘にも用いられるため、左前腕部のビーム・サーベル格納部には2連のヒート・ホークが固定装備されている。頭部センサーも強化されている。全身には錯視効果を狙った白・青・黒による縞模様の迷彩が施されている。


脚注 編集

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  1. 1982年1月発行の『講談社のポケットカード(8) 機動戦士ガンダム モビルスーツカード』において同機は「GMキャノン試作タイプ」とされ、問題点の改良中に終戦を迎え、実戦参加しなかったとされていた。
  2. 黒い専用機についてはあくまで文字設定のみであり、正式に設定されたのはPS2ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』から。
  3. 漫画『GUNDAM LEGACY』より。
  4. プラモデル『HGUC 1/144 ジム・キャノンII』取扱説明書より。

関連項目 編集

en:RGC-80_GM_Cannon
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