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ジ・O(ジ・オ)は、アニメ機動戦士Ζガンダム』に登場する架空の兵器。

パプテマス・シロッコが自身の専用機として開発したモビルスーツ (MS)。

本項では、そのバリエーション機についても併せて記述する。 テンプレート:ネタバレ

ジ・O 編集

機体解説編集

テンプレート:機動兵器 木星帰りのニュータイプパプテマス・シロッコが来るべきエゥーゴアクシズとの最終決戦に臨むべく、巨大輸送船ジュピトリス工廠にて開発を行ったPMXシリーズMSの4番目の機体である。歩行機動兵器としてはかなりのヘビー・クラスであり、その外観・能力とともに「人型を成したモビルアーマー(MA)」と形容するに相応しい機体である。

基礎設計の段階から、設計者であるシロッコの専用機としての運用を前提に開発されており、彼の稀有な空間認識能力を機体制御に反映させるべく、管制システムには独自開発のサイコミュシステムが導入されている。インターフェースはパイロットであるシロッコ専用にチューニングされており、彼以外による操縦は不可能である。ビット兵器に代表される遠隔誘導端末の制御機能を有してはないが、感応波の増幅並びに追従性能向上に対する効果は大きく、機体制御の補佐システムとして優秀な性能を有している。

このサイコミュは同時期にアナハイム・エレクトロニクス社が実用化した準サイコミュの一種であるバイオセンサーと混同される場合があるが、アナハイム製のΖガンダムΖΖガンダムに搭載される同名のデバイスとは、根本的に設計概念を異にしており、関連性はない。

スペック・ノート上のジェネレーター出力は2,000kw未満と控えめだが、熱核反応炉は大型艦艇に匹敵する規模のものを搭載する。一般的なMSを大きく凌駕する動力性能を備え、大質量の機体ながらも敏捷性は非常に高い。

機体背部には加速用のバーニアとして推力38,200kgの大型ノズル1基、及び推力16,200kgの小型ノズル6基を搭載(合計135,400kg)し、MAクラスの強力な推力を発揮する。その他に全身の装甲上には50基もの姿勢制御用熱核ロケット・モーターが配され、各々が通常のMSのメインバーニアに匹敵する出力を備えている。可変MSの様に全ての推力ベクトルを一致させることは不可能だが、敵機を正面に捉えたまま全周囲に対し強大な推力を発生することが可能となっている。また、機体のペイロードを活かし、本体及び各部のスカート・アーマーには大量のプロペラントを積載可能であり、機体稼動に余裕を持たせている。

多重関節構造を有する脚部や各部の装甲は、一般的なMSのそれとは構造が大きく異なり、姿勢制御スタビライザー、並びに高自由度のベクタード・ノズルとしての機能を統合した複合的な機動ユニットとして設計されている。本機の脚部モジュールは歩行脚としての機能も有するが、あくまで空間戦闘用のベクタード・ノズルとしての機能を最上位に設定されているため、1Gの重力下での歩行能力は高くはない。しかし、その分ムーバブル・フレーム本来の自由度を最大限に活かした柔軟な稼動が可能である。このため、高機動時に余計な慣性モーメントを発生させるバインダー等の装備を用いることなく、多彩なAMBAC能力によって姿勢制御や照準を効率的に行うことができる。

これらの複合機動ユニットとサイコミュ制御による先鋭的な機体管制は互いに連動し、ジ・Oはその巨躯に似ぬ驚異的な空間戦闘能力を発揮するのである。

武装面ではビーム・ソード及び大型ビーム・ライフル一丁を携行するのみ(近藤和久のコミック版では携行武器は無く、後述の小説版に準じた全身にメガ粒子砲を内蔵した機体になっており、ジオングのように両腕、両足が有線式のビーム砲になっていた)であり、グリプス戦役末期のMSとしては、比較的簡素な仕様となっている。これらの武装をより有効に活用すべく、通常の腕以外に独立したサブ・マニピュレーター(隠し腕)を腰部フロントスカートに内蔵している。通常のマニピュレーター同様のエネルギーサプライシステムを内蔵しており、武装の携行、及びビーム・ソードのドライブが可能である。幻惑用の装備として、主に近接戦闘時の奇襲攻撃において非常に有効に機能したという(近藤和久のコミック版では確認できていない)。

装甲についてはTV版ではΖガンダムとの最終決戦まで直撃を受けていないためあまり顕著になっていないが、小説版ではキュベレイファンネル攻撃と百式のビームライフルを全身に受けて武器のほぼすべてを使用不能にされながらも主要可動部分は問題なく動いており、驚異的な防御力を発揮している。

本機を設計したシロッコは、天才的なエンジニアであると同時に、パイロットとしても優れた才覚を有していた。彼は過去の機体開発、及び戦闘経験から、戦闘用MSにとって本質的に必要な要素は、複雑な可変機構や過剰な火力ではなく、搭乗者の技量を確実に反映できる優秀なインターフェース、並びにそれに応えられる堅牢な機体であると判断し、本機の設計に際して純粋に機動力、白兵戦闘能力を追求したアプローチを行っている。その様な意味からジ・Oは、史上初のMSであるザクの、汎用機動兵器としてのポテンシャルをさらに先鋭的な形で体現した機体であるとも言うことができる。

シロッコが死亡したことによって、ジ・Oの直接的な後続機が製作されることは無かった。しかし、本機の特異な機体性能は、直後に誕生することになる第4世代MSへの先駆的存在でもあり、部分的にはそれらを凌駕する側面さえ持ち合わせていた。サイコミュ+重装甲+高機動(+隠し腕)というコンセプトは、他勢力の機体であるΖΖガンダムやドーベン・ウルフナイチンゲールといった次世代MSに影響を与えており、シロッコのエンジニアとしての先見の明が伺われる。

なおジ・Oという機体名は、theology神学)の略語に由来しており、神の意思を表すとされている。

武装編集

ビーム・ソード(出力0.39MW)
腰部サイドアーマーにビーム・ソードを2基ずつ計4基を装備する。一定方向にバイアスがかかったビーム刃を形成するため「サーベル」ではなく「ソード」と呼称される。ベースとなるエミッターの出力は標準の域を出ないが、シロッコによる独自の改良が施されており、信頼性の高い武装である[1]
大型ビーム・ライフル(出力2.6MW)
出力は小さいが集束率、命中精度が高く信頼性に優れる。また、メガランチャー級の高出力ビームを発射可能であり、その上で連射が可能であるともいわれる。エネルギーパックは独自規格のものを採用しており、他機種との互換性はない。
小型メガ粒子砲
小説版に登場する武装で、肩や胴体の各所に配置された小型のメガ粒子砲。威力は高く、流れ弾の一撃でガンダムMk-IIを倒し、パイロットのエマ・シーンに致命傷を負わせている。

劇中での活躍 編集

グリプス戦役終盤において木星船団キャプテン、パプテマス・シロッコの乗機として出撃、地球圏の覇権を賭け、エゥーゴのエース・Ζガンダム及び百式、またアクシズのキュベレイとの激戦を繰り広げる。特にキュベレイとの交戦時には、同機のサイコミュ兵装ファンネルをライフルで数基撃ち落とし、その攻撃を封じている。キュベレイのパイロットであるハマーン・カーンは、シロッコと並ぶ強力なニュータイプであり、両者の間に常人の介入を許さない超常的な戦闘を展開した。

最終局面においてはエゥーゴのΖガンダムとの決戦に臨み、これを圧倒するも、死者の念を取り込んだΖガンダムの超自然的な力の前に制御不能に陥り、ウェイブライダーにコクピットを突かれ、搭乗者であるシロッコと共に機体は爆散する。

小説版ではアニメ版と搭載武装の一部が異なり、全身に無数のメガ粒子砲を装備している。メガ粒子砲の一斉射撃によってキュベレイのファンネルを破壊し、エマ・シーンにも致命傷を与える。最終的にはカミーユのΖガンダムの超常現象の影響によって制御不能に陥り、コロニーレーザーの閃光に呑み込まれ、消滅する。

ちなみにジ・Oの巨体を目にしたクワトロ(シャア)は、本機を「ジュピトリスの達磨」と称している。

デザイン 編集

デザインは小林誠が担当。小林もこのデザインモチーフを気に入っており、自身のイラストや漫画、メカデザイン等で頻繁に使用された(『ドラゴンズヘブン』のネオジオ、『SAMURAI 7』の紅蜘蛛など)。遂には自分の息子を「児央(ジオ)」と名付けた程である。

なお、小林によれば、本機はリック・ディアスの延長線上にある発展機であり[2]、「ザクIIにヘルメットを被せてみた」というマラサイと同じく、低年齢視聴者層へのサービスと考えてデザインしたとのこと。

ジ・O II 編集

テンプレート:機動兵器 漫画『機動戦士ガンダム ジオンの再興』に登場するMS。小林誠のイラストが元になっている。

宇宙戦用の試作機をベースに開発された重装甲・重武装の要塞攻略用地上型MS。

ジ・Oの開発に携わっていたジオン系技術者が陸戦用に製造した物で脚部に計12基のホバーユニットを搭載している。全高は30m近くあり、シロッコのジ・Oより一回り大きいものになっている。火器は携行する実弾マシンガンに加え、胸部の2連装カノン砲、背中の対空ミサイル。脚部の隠し腕も踏襲されており、シロッコのものと同様、ビームソードを使用する事が可能。

砂漠戦仕様の本機は、ごく少数が生産され、前線に投入された。

ブレッダ 編集

テンプレート:機動兵器 漫画『機動戦士ガンダム ジオンの再興』に登場するMS。

同じく試作機である「THE-O II」の小型化を目指して試作された機体。戦場におけるジ・OII は無敵を誇る火力と推進力を有しているものの、その巨大な姿は敵の目標になりやすく、かなりのダメージを負う事がしばしばあった。そこで、ジ・OII のノウ・ハウを生かした通常MSサイズでの実験が開始された。

PMX-005はその実験機の1機で、これ以外に数機の試作MSが存在すると言われているが、実際に非公式ながら唯一記録として残っているのが、このBREAD(ブレッダ)である。先行量産型10機が地上に送られて実戦テストが行われているが、戦果などの記録は公式発表されていない。

PCゲーム『機動戦士ガンダム アドバンスドオペレーション』では、宇宙世紀0089年にネオ・ジオン軍のエースパイロット、シンクレア少佐が搭乗した。

デザイン
OVA『機動戦士ガンダム0080』の近藤和久によるイメージイラストでは、この機体の頭部を持つMSがケンプファーの暫定的デザインとして描かれている。


ジャギュア 編集

テンプレート:機動兵器 漫画『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』に登場するMS。

フレデリック・F・ブラウン大尉が乗った試作タイプのMS。

PMX-005 ブレッダの発展型で武装強化、バーニアの推力増大に加え、地上戦でのデータ収集の為、宇宙型(ジャギュー ツヴァイ)とは若干形が異なる。同クラスのMSであるサザビー(ただし、シャア・アズナブルらが乗ったニュータイプ用は省く)より、わずかではあるが性能が上である。しかしながら組み立てに非常に時間と費用がかかる為に大戦中に7機しか作られておらず、正確なデータ等はいまだに得られていない。

ジャギャー ツヴァイ 編集

テンプレート:機動兵器 漫画『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』に登場するMS。

宇宙型ジャギュア。

タイタニア 編集

テンプレート:機動兵器

ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場するMS。

シロッコが木星船団の輸送船ジュピトリスでジ・Oの後継機として開発を行っていたとされる機体であり、詳細な機体スペックは不明であるが、武装としてIフィールド・バリア(1作目のみ)、及びファンネルを搭載し、ニュータイプ対応機として更なる進化を遂げている。本機の構想時において、ファンネルを携行するMSはアクシズ側のキュベレイのみであり、設計者であるシロッコの高度な予見性と技術力が伺われる。また、近接戦闘用の装備として、ジ・Oで試験採用された「隠し腕」のギミックも備えられ、両肩2対の隠し腕を有する。

地球圏統治後には、その指導者たる女性ニュータイプの搭乗を予定していたと云われ、同じPMXシリーズのパラス・アテネを踏襲した感のある風貌に加え、純白のカラーリングと流麗な機体シルエットは、あたかも白亜の城塞を彷彿させる荘厳なものとなっている。しかし、実際には開発者であるシロッコが死亡したために実機が製作される事は無かった。

注釈 編集

  1. 設定画では片刃のブロードソードのような形状でガレージキットでもそれを再現していたが、プラモデル化の際にこのような設定となった。
  2. ホビージャパン発行のムック『ガンダムゲームズ』収録のインタビューによると、「全体のパーツ構成はリック・ディアスを参考にした」との事。またこのインタビューでは本機の胸部デザインはポルシェ・935のフロント周りがイメージベースとも語っている。
th:ธิโอ
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