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ヅダ(ZUDAH、型式番号EMS-04 or EMS-10)は、ガンダムシリーズアニメ作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場する架空の兵器。 テンプレート:ネタバレ

機体解説 編集

テンプレート:機動兵器 宇宙世紀0071年、ミノフスキー粒子散布下の戦場での有視界での近接戦闘の有効性が明らかになったことを受けて、ジオン軍当局は連邦軍との物量差を打破しうる新兵器の開発をジオニック社ツィマッド社MIP社に委託した。これに応えてツィマッド社が得意の推進装置分野の技術を活かし宇宙空間での機動性と推力を重視して設計・開発したのが「EMS-04 ヅダ」である。

宇宙世紀0075年初頭、本機はジオニック社の提出した「YMS-05 ザク」と共にジオン軍での制式採用を賭けたコンペティションに臨んだ。格闘性能試験・飛行性能試験それぞれにおいてザクを凌駕し、軍上層部の一部からも「ヅダ勝利」の声が上がっていたが、飛行性能試験の場で空中分解事故を起こし機体を喪失、テストパイロットが死亡してしまう。大推力、高加速、AMBACシステムを併用した急激な方向転換で機体構造に大きな負荷がかかったのが原因であった。また、1機あたりの生産コストがザクの1.8倍近くに上り、国力・資源に限界のあるジオンにとってこの高コストは軽視できない問題であった。選考の結果、コストも安く信頼性・汎用性が高いザクが制式採用・量産化が決定された。なお、このコンペ並びに選考結果については、ジオニック社と政権の癒着や裏工作があったという説もある[1]が真相は定かではない[2]

だが、ザクの量産開始後も本機の開発中止命令は出ず、一年戦争が勃発し戦場が地上に移ってからも開発は続けられた。オデッサ作戦の直前の10月、すでに制式採用が決定していた新型エンジンに換装し、新世代の素材、制御システムを採用した「EMS-10 ヅダ」が完成した。この新型エンジンは通称「土星エンジン」と呼ばれ、ドム及びリック・ドムにも採用されたものである。

しかしこれは、戦況が逼迫しつつあるジオン公国が自軍や国民に対する戦意高揚および地球連邦軍に対する欺瞞、すなわちプロパガンダの為に流した情報であり、実際のEMS-10はEMS-04の外装を交換しただけで基本設計は全く変わっておらず、エンジン出力を限界まで上げると空中分解を起こす欠陥もそのまま引き継がれていた。そもそも「土星エンジン」自体がかつてEMS-04の為に開発されたエンジンであり、新型エンジンという触れ込みそのものがプロパガンダになっている。

圧倒的なまでの加速性能は当時のMSの中でも群を抜いており、最大推力ではRX-78 ガンダムをも凌駕した。エンジンは背部に露出しており、バーニアノズルの向きを変えるだけで失速する事なく急激な方向転換が行えた。また、隊長機と2・3番機、予備機は、モノアイスリットの形状などそれぞれ頭部パーツに若干違いがある。

劇中での活躍 編集

かつて空中分解する欠陥を晒しコンペでザクに敗退したヅダは、4年の歳月の間に改修を重ね、新型ヅダとして完成した。形式番号EMS-10が与えられた新型ヅダの登場と、その高性能ぶりはジオンのプロパガンダ放送でも誇らしく喧伝された。

その最終評価試験を行うため、4機がテストパイロットのジャン・リュック・デュバル少佐とともに第603技術試験隊所属の支援艦ヨーツンヘイムに配備されるが、評価試験中に3番機がエンジンの暴走を起こし空中分解、機体とテストパイロットのオッチナン・シェル中尉が失われた。原因は中尉が命令を無視し高加速を行ったことにあるとされたが、欠陥を解消した筈のヅダが以前と同様の事故を起こしたことに関係者は不審を抱く。折りしも連邦側のプロパガンダ放送でEMS-10の素性が暴露され、EMS-04から設計が変わっていないことが関係者に知れると同時に、本来なら軍上層部とツィマッド社の機密事項であるはずの情報が地球連邦軍に筒抜けであることも明らかになった。この情報漏洩に関してデュバル少佐は、MS開発を巡ってツィマッド社とライバル関係にあるジオニック社の差し金であると主張している。いずれにせよ、マルティン・プロホノウ艦長らは試験の続行が危険と判断し試験中断の判断を下す。

その折、オデッサ作戦で地上を追われた多数の友軍がHLVで宇宙空間へと敗走してくる。彼らはより多く人員を乗せる為に燃料搭載量を減らしたと言われ、大気圏を脱して以降は地球周回軌道上を漂う事しかできず友軍による回収を待たねばならなかった。連邦軍はこの機を捉えて据え物斬りにかかり、HLV側も搭載していたザクJ型を放出して果敢に反撃を試みるが、そのほとんどは陸戦仕様で宇宙空間では姿勢制御もままならず、ボール相手に満足な反撃もできぬまま一方的に撃破されていく。この状況を目の当たりにしたモニク・キャディラック特務大尉は、独断で評価試験の再開を名目とした救援活動を下命する。友軍の救援を2番機と予備機に任せ、陽動に徹するデュバル少佐の1番機はまずボール2個小隊6機のうち少なくとも4機を撃破、更に加勢に現われたジム6機のうち2機を直ちに撃破し、残りのジムをHLVから引き離すべく挑発して高速機動に誘い込み、3機を空中分解に至らしめる[3]が、自機もエンジンが暴走して空中分解し、デュバル少佐も帰らぬ人となった。

その後ジオン本国から評価試験の中止と残存機のヨーツンヘイム護衛の搭載機として配備する旨の指令が伝えられたが、これは数度にわたる空中分解事故を要因とする事実上の「不採用決定通知」であり、護衛機転用の名を借りた体の良い廃棄処分と言えた。しかし最終決戦となったア・バオア・クー攻防戦にて予備機は左腕を破損したに留まり、2機とも終戦まで残存した。機体の不採用が決定した後の戦闘が皮肉にも、機体の性能の高さを証明する結果となった。

なお、友軍救出活動時にキャディラック特務大尉が予備機のパイロットを務めたことが確認されているが、後に彼女がヨーツンヘイムに乗艦している状態で予備機が出撃している映像もあり、ヒデト・ワシヤの他にもヅダを運用するパイロットがヨーツンヘイムに乗艦していると考えられる。

登場作品 編集

  • 機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-
    • 第3話「軌道上に幻影は疾(はし)る 」
  • 機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-
    • 第1話「ジャブロー上空に海原を見た」
    • 第3話「雷鳴に魂は還(かえ)る」

関連項目 編集

備考 編集

  1. 劇中でテストパイロットのデュバル少佐が主張している。
  2. ヅダのデザインを担当した出渕裕によると、このエピソードはドイツの戦闘機He 100が他社の競合機よりも高い性能を示しながらも不採用に終わり、その後架空の部隊マーキングを施して対外宣伝に使用された実話がヒントになっているという。
  3. 残りの1機は、エンジントラブルで落伍したところを追撃してきた予備機(モニク・キャディラック搭乗)によって撃破されている。

外部リンク 編集

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