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ビームライフル (Beam Rifle) は、アニメガンダムシリーズ」に登場する、架空の兵器モビルスーツ (MS) 及びマン・マシーンの標準的な武装の一つで、最も主力になるものである。

機動戦士ガンダム』でガンダムの主武装として登場して以降、モビルスーツの武装の定番として定着する。『機動戦士ガンダム』をはじめとする宇宙世紀を舞台とする作品とは別の世界観に登場するモビルスーツも、ビームライフルを装備していることが多い。

各世界観におけるビームライフル 編集

宇宙世紀におけるビームライフル 編集

宇宙世紀におけるビームライフルとは、それまで戦闘用艦船に装備されていたメガ粒子砲を、エネルギーCAPを用いて威力を落とさず、モビルスーツが持てるまでに小型化したもの。

一年戦争時に地球連邦軍ジオン公国軍に先駆けて実用化に成功し、ガンキャノン及びガンダムにエネルギーCAPを用いたビームライフルが装備された(ジオン公国軍では開発が遅れたもののゲルググが最初に装備している)。その威力は実弾系武器を主に使用していたジオン軍のザクなどを圧倒する事となる。当時、モビルスーツを一撃で撃破しうる火力は艦船の主砲クラスのみであり、それが搭載された事はガンダムの伝説的強さの大きな要因となると共に、その後のモビルスーツ戦を大きく変容させる事となった。その後Iフィールドやビームシールド等の防御技術が開発されたものの、宇宙世紀が0200年代に突入した後も、人型機動兵器の武装としては花形であり続けている。

ただ、一年戦争時に使用されていたビームライフルは、エネルギーCAPそのものを内蔵するタイプであったため、チャージされたメガ粒子の分を撃ち尽くすと母艦や基地へ戻って再チャージする必要があった。一年戦争後にて、この点を改良しエネルギーCAPを外付け、取り外し可能にするEパック(エネルギーパック)を用いたビームライフルが実用化される。Eパックはマガジンで給弾されるライフルと同じ要領で、Eパックを複数持って出撃すれば射撃回数がその分増え、交換の手間だけで再び射撃可能となり、戦闘に際してもより有利となる。以後は、Eパックを用いたビームライフルがほとんどのモビルスーツの標準装備となる。

宇宙空間では実体弾兵器は永久に初速を失わずスペースデブリとなり危険であるため、一定の距離で消滅するビームライフルのほうが安全と判断されたことも、ビームライフルの普及の要因の一つである。ただし、スペースコロニー内ではコロニーの壁を貫通する事態になりかねないため、実体弾によるマシンガンが好んで使用された。大気圏内ではビームの大気による減衰が多く威力・射程に問題が出る他、水中ではより一層減衰し事実上使用できないことなどから、ビームライフル普及後でも実体弾兵器も使用可能にしてある機体は多い。例えばアムロ・レイは、TV版第28話で、水中におけるビームのパワー低下について言及している。

なお、ガザCのナックルバスターやガンダムF91ヴェスバーのように、ジェネレーターに直結したビームライフルも存在する。こうなると、メガ粒子砲とビームライフルの区別は曖昧となるが、主に機体に直接搭載されるのがメガ粒子砲、手持ちのものがビームライフルとして区別される。

一般的にメガ粒子砲の方がビームライフルよりも威力は大きいものの、本体に直結する都合上、取り回しが不便であり、射角の制限といった問題点も抱えていた。また、本体のジェネレーターを使用する為、ビームライフルに比べて機体への負荷が大きいといった弊害があり、ジェネレーター直結式のメガ粒子砲がMSに採用され始めた後もビームライフルが通常装備として普及していた。

小型のビームライフルをビームガンやビームピストル、大型のビームライフルをビームバズーカや、ビームランチャー、メガビームランチャー、ハイパーメガランチャー、メガバズーカランチャーなどと呼ぶことがあるが、特に意味のある名称ではなく、語感のよさからつけられているに過ぎない。これは、モビルスーツに搭載されているハイメガ粒子砲なども同じである。

宇宙世紀0200年代になりマン・マシーンの時代が訪れて以降は、低級機にも搭載されている標準的なビームライフルですら宇宙世紀0080年代におけるハイパーメガランチャーを超える威力を誇っており、破壊力で区別するのはますます意味をなさなくなっている。

下では、特筆すべき特長があるもののみを挙げる。

ビームスプレーガン 編集

主にジム等に採用された拳銃型の小型ビーム携帯火器。ガンキャノンやガンダムに採用されたビームライフルは、破壊力向上のために収束率を高めているため命中率が低く、また当時の技術では安定した量産が困難であったため、代替品として開発された。発するビームを拡散することにより命中率を高めた設計になっており、射程は短くなっているが、錬度の低いパイロットにも扱いが容易となった。ビームの拡散で比較的威力は低下しているが、速射性が高く、近距離での装甲貫通力は充分とされる。しかし、ゲルググ以降のMSにはシールドや装甲に対ビーム処理を施した機体が多く配備され、後にビームライフルの生産能力が高まり、またパイロットの錬度上昇や教育型コンピューターによるシステム面の向上に合わせて、次第に生産されなくなった。

なお、ビームスプレーガンという名称はその形状が塗装用のスプレーガンに似ているから付けられたという説があり、ビームが拡散していると言われるのはその名称から由来する単なる誤解であるという。ビームスプレーガンのビームが実際に拡散していることを確認できる描写はなく、その後同じような拡散ビームを使用したビームライフルも存在しない。TV版第36話『恐怖!機動ビグザム』でシン少尉搭乗のジムがビームスプレーガンをビグザムに発砲するが、ビームは直進している。

破壊力に関しては確たる描写がなく、以後宇宙世紀MSで拳銃型の小型ビーム兵器を装備した例は極めて少ない[1]

ナックルバスター 編集

ガザCやガザDなどに採用されたジェネレーター直結方式のビームライフルである。性能の低いガザシリーズを補助する必要があったことと、当時のアクシズ艦艇はエネルギーCAPの充電施設を持たない旧ジオン公国系の艦艇が多かったため、ジェネレーター直結方式が採用された。なお、ガ・ゾウムはハイパー・ナックルバスターというビームライフルを装備しているが、これはジェネレーター直結方式ではないため、出力も低下している。

2連装メガビームライフル 編集

ΖΖガンダム専用の大出力(10.6MW×2)ビームライフル。別名ダブルビームライフル。デバイス内に複数のジェネレーターを持ち、更にMS本体からのエネルギー供給を受ける(構造的に腕部エンジンと直結する)ことで、MS用手持ち携行火器のサイズに収まりつつもメガバズーカランチャーに匹敵する威力を有し、更に連射を可能とする非常に強力な兵装となっている。ライフルと銘打っているものの、その実態はジェネレーター直結式の連装メガ粒子砲と呼ぶべき兵装である。砲身は200射程度の使用が可能であるとされている。

大火力の兵装だが、マニュアル操作で出力及びビームの収束率の調整が可能であり、運用に柔軟性を持たせている。ロング・バレルによって効率的なエネルギー収束が可能であり、一定レベルでの狙撃能力をも備えていた。

携行火器としては破格の威力を備えており、一度の砲撃でMS数機を破壊し、 かすめただけでもガンダリウム製の装甲を溶解させる威力がある。ビームの減衰が激しい大気中においてもその威力は健在であり、一射でドライセンを爆砕したほか、大型MSであるザクIIIの半身を吹き飛ばしている。

ΖΖガンダムの分離変形合体システムを構成する1ユニットとして、コアトップ及びGフォートレス形態では機首となる。そのため本体後端にはコクピットを備えている。

ビームマグナム 編集

ユニコーンガンダムに採用された専用ビームライフル。名の由来は旧世紀のマグナム弾で、後のヴェスバーにも劣らない高い威力を持つが、取り回しの悪さも合わせ持つ。1つのマガジンに5発のEパック・カートリッジ(マグナム弾)が連結され、ボルトアクションライフルのように1射毎に廃莢・次弾装填を行う。1発につき、当時の通常型ビームライフル4発分の威力があり、通常のビームならかすめて過ぎる距離でもモビルスーツを撃破し得る程の破壊力を生み出す。対モビルスーツ用兵器としては大げさな威力となるが、大型のモビルアーマーなどに対しては一撃で決定打を与る得る有効性がある。また、ビームの威力が減衰される大気中においても、本来の出力より多少劣るものの実戦で扱うには十分な性能を発揮することが可能と考えられる。

なお、Eパックを一射毎に消費する同様な携帯ビーム兵器にAMX-101 ガルスJのエネルギ-ガンがある(但し、出力は3.8MwとU.C.0090年代では標準レベル)。

ヴェスバー 編集

サナリィの開発した革新的なビーム兵器。名称は「V.S.B.R.:Variable Speed Beam Rifle = 可変速ビームライフル」から。ジェネレーターから直接エネルギー供給を受けるため、従来のビームライフルを凌駕する威力を有する。

最大の特徴は、発射するビームの収束率を調節できること、そしてビームの射出速度の調節が出来ることである。どちらとも連続帯域での微調整などができる。対象物の耐久力や距離に応じて高速で貫通力の高いビームから、低速で威力を重視したビームまでを状況に応じて撃ち分けることができ、通常のビームライフルでは貫通不可能だったビームシールドを貫通する。最大出力における威力は戦艦の主砲を上回り、宇宙世紀0130年代においてもモビルスーツ用の武装としては最大級の威力を有している。

構造上ビームライフルというよりメガ粒子砲に近いが、銃身自体に大容量のコンデンサーが内蔵されているため、本体から取り外しても数回の発射が可能。但し、この技術を盗用したアナハイム、及びサナリィから技術提供を受けたとされるクロスボーンバンガードでは、大容量コンデンサーの解明が出来ず、本体固定の装備になっている。

G-B.R.D 編集

G-B.R.D(G-バード)とはGenerative - Beam Rifle Device(ジェネレイティブ・ビーム・ライフル・デバイス)の略であり、「ジェネレーター内蔵型ビームライフル装置」と訳される。アナハイム・エレクトロニクス社シルエットフォーミュラプロジェクトの一環としてサナリィのヴェスバーに対抗して作り上げたビーム兵器。ネオガンダムが装備している。

ジェネレーターに直結させた高出力ビーム砲をMSが携行可能なまで徹底的に小型化した上で、移動能力も備えさせたコクピットのない移動砲艦とでも言うべき代物で、百式のメガバスーカランチャーやメガライダーといった大型ビーム兵器を搭載して自力航行できるモビルスーツ支援兵器の系譜に連なるものといえる。また、コアファイターの火力と移動力を強化するためにドッキングさせることも可能である。威力について詳細な情報はないが、作中でコロニー内部からの遠距離狙撃で透過光壁を貫通しつつ、ラー・カイラム級エイジャックスの艦橋を一撃で破壊しており、ヴェスバーを上回るものと考えられる。

未来世紀におけるビームライフル 編集

機動武闘伝Gガンダム』にも劇中でビームライフルは登場しているが、詳しい原理は明らかではない。ノブッシやジョンブル(ブリテン)ガンダム、そしてデスアーミータイプなどが装備していた。

第9・10・11回大会で長距離狙撃を主武器とするブリテンガンダムが3連覇したことからガンダムファイトにおいても射撃武器の普及化が進んでいた時期もあったが、第12回大会において格闘とクーロンクロスのみで戦う東方不敗クーロンガンダムが優勝したことによって、覆されている。

アフターコロニーにおけるビームライフル 編集

新機動戦記ガンダムW』においても、モビルスーツ用ビームライフルは登場している。基本的にその原理はメガ粒子砲とは異なり、荷電粒子砲である。ただし、メガ粒子砲そのもが存在しない訳ではなく、ガンダムグリープのバスターメガ粒子砲やハイパーメガ粒子ランチャーという例がある。

作中においてはリーオートーラス等のMS及びビルゴII等一部のモビルドールが携行型ビーム兵器を運用している。ただし、エアリーズはビーム兵器を持っておらず、リーオーも地上では105mmマシンガンを運用することの方が多く、その利用頻度は序盤においてはそれほど多くない。

なお、設定上、最初に開発されたビーム兵器はトールギスのドーバーガン。一部のリーオーも最終決戦においてこれを運用している。

今作では例外的にガンダムタイプMSはほとんどビームライフルを装備していない(アニメ劇中デザイン6系統のうちの1つのみ)が、ウイングガンダムのバスターライフル、ウイングガンダムゼロのツインバスターライフルは共に他作品に比べて非常に強力な描写となっている。

アフターウォーにおけるビームライフル 編集

一般的な量産機はいずれも実弾兵器を使用しているが、ガンダム系モビルスーツ全般や、後期の宇宙革命軍量産機のクラウダや新連邦軍のドートレス・ネオバリアント等はビーム兵器を装備している。これらの明確な名前は作中にはほとんど登場せず、ガンダムエアマスターガンダムダブルエックスが装備していたものがバスターライフルと呼称されていた程度である[2]

ただし、ガブルがライフルの弾を拡散・反射するフィールド・ジェネレーターを装備しており、そのガブルとの戦闘においてジャミル・ニートが「奴にはビームは通じんのだ」と発言している。またビームサーベルは初期の量産機を含めたほとんどのモビルスーツが標準装備している事から、宇宙世紀のそれとほぼ同様、もしくは似通った技術が存在している事は確かである。後日譚外伝の『機動新世紀ガンダムX〜UNDER THE MOONLIGHT〜』ではこの技術は発展し、ディクセン・ホーネットディクセン・モードエックスで更に小型・強力化していったと設定されている。

正暦におけるビームライフル 編集

∀ガンダムが所持しているビームライフルは共振粒子砲(リフェーザー砲)。粒子を固有振動によって収束させ、発射するものである。スモーの所持しているビームガン(拳銃型)や、ウォドムや戦艦クラスのビーム砲が共振粒子砲という設定はなく、一部ムーンレィスの技術者からもメガ粒子の存在が明かされてる。 ∀ガンダム専用であるビームライフルは非常に火力が高く、正暦ではビームはおろか、実弾ですら威力減衰を起こすIフィールドの発生装置であるジェネレーターを貫通、破壊するなど異様な破壊力を誇っている。また、最大出力モードでは宇宙世紀におけるコロニーレーザーと同等の威力を得る事も可能であり、モビルスーツ携行武器としてはあらゆる時代のものと一線を画すものとなっている。

コズミック・イラにおけるビームライフル 編集

機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』におけるビームライフルは、高エネルギーにより励起された荷電粒子プラズマ等を臨界まで圧縮し光速で射出する指向性エネルギー投射兵器である。専用の弾薬(粒子)が必要とされるが、ビーム発振器内には半永久的に撃ち続けられる程の弾薬が貯蔵されているようで、弾切れは問題無い。射出されたビームは周辺の大気を灼熱のイオンに変えてしまうため、市街戦でのビームライフルの使用は好ましくないとされる。ビームライフルの稼働には膨大な電力も必要とするため、動力源がバッテリーであるモビルスーツがビーム兵器を多用することは、戦闘可能時間の相対的短縮をもたらす。それを緩和するため、銃自体にサブバッテリーを装備している機体も存在する。

古くからビーム兵器は存在していたが、消費電力が大きい事から宇宙艦艇にしか搭載できず、モビルスーツの装備としては、ジンのバルルス改特火重粒子砲のような発射回数が数回程度の物だけであった。地球連合軍G兵器用ビーム兵器開発の過程で、「低電力高出力ジェネレーター」の開発に成功し、モビルスーツがビーム兵器を携行する事が可能になった。その技術はG兵器開発に協力したオーブ連合首長国や、G兵器そのものを一部奪取したザフトに流出。C.E.73までには概ね全ての勢力のモビルスーツがビーム兵器を標準装備するにまで至っている。

また、ユーラシア連邦が開発したハイペリオンガンダムには、電力のみのエネルギー供給で撃ち続けられるビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」が装備されている。

西暦におけるビームライフル 編集

機動戦士ガンダム00』におけるビーム兵器は、プラズマキャノンが、ユニオンAEUにより、モビルスーツに実装するための小型化の研究がされていた。だが、ソレスタルビーイング(CB)が有するガンダムの登場によりビーム兵器の存在が世界に知られ、その後、CBの造反者とされる人物により、擬似GNドライヴとビーム兵器の技術がユニオンをはじめとする各国家群に齎されることとなった。これにより、プラズマキャノンは普及することはなかった。

GNドライヴ搭載型モビルスーツのビームライフルは、GNドライヴ本体からGN粒子を直接供給して発射するものである。但し、オリジナルのGNドライヴと、擬似GNドライヴとでは、GN粒子エネルギーが異なっている。CBのガンダムのビームの色はピンク色なのに対し、擬似GNドライヴを搭載したモビルスーツのビームの色は真紅色またはオレンジ色である。GN粒子は圧縮すると人体に有害だが、オリジナルのGNドライヴのものについては劇中当初より無害化する技術が確立されており、擬似GNドライヴのGN粒子についてものちに無害化された。

非GNドライヴ搭載型モビルスーツ用のビームライフルも開発されており、こちらはGNコンデンサーを装備している。作中で登場したティエレン全領域対応型に装備されていたGNビームライフルは銃剣の様な使用も可能だが、非GNドライヴ搭載型モビルスーツのOSではビームライフルの制御が不可能な欠点を持つ。

脚注 編集

  1. エビル・Sのビームスプレーガン、リグ・シャッコーのハンドビームガン等が見られる。リック・ディアスのビームピストルは拳銃としてはかなり大型で、むしろ百式のビームライフルをダウンサイジングしたカービン銃に近い。またヴィクトリーガンダム系列が使用するビームピストルはビームライフルの機関部と兼用されるもので、ビームライフルが損傷した場合の緊急装備的側面が強い。
  2. ウイングガンダム、及びゼロのものと同じ名称だが、威力は量産型モビルスーツのビームライフルと同じか少々上回る程度。

関連項目 編集

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