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新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop
ジャンル SFガンダムシリーズ
小説
著者 隅沢克之
イラスト あさぎ桜(キャラ)、MORUGA(メカ)
出版社 角川グループパブリッシング
掲載誌 ガンダムエース
刊行期間 2010年8月号 -
その他 原案矢立肇富野由悠季</br>協力:バンダイホビー事業部</br>
テンプレート使用方法 ノート

テンプレート:Portal新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』(しんきどうせんきガンダムウイング フローズンティアドロップ)は、隅沢克之による日本小説作品。『ガンダムエース2010年6月号にて、「ガンダムW プロジェクト」の第一弾として発表され、同年8月号にプロローグを掲載し、10月号より本連載を開始。イラストは小説版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の挿絵や、漫画版『新機動戦記ガンダムW BLIND TARGET』を担当したあさぎ桜

概要 編集

元々トレーズ・クシュリナーダの視点から時代を描く「新機動戦記ガンダムW エントリッヒ・エロイカ」という小説作品を構想していた隅沢だったが、当時の力量不足が災いし、未完のままお蔵入りになったという(後年、文庫版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の発売時に「エントリッヒ・エロイカ」の物語を書き足す案もあったが、分量が単行本5冊以上にまで及ぶと計算され、再度お蔵入りとなる)。それから10年以上の月日が流れ、執筆技術が多少向上した要因も重なり、再び小説に挑戦する想いが生じたとの事で「エントリッヒ・エロイカ」の物語を序章とし、その後の新たな展開を加えて描かれるのが本作である。

物語は『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』より数十年後から始まり、暦もAC(アフターコロニー)からMC(マーズセンチュリー)に変わっている。

物語 編集

地球圏統一国家大統領による「オペレーション・ミュートス」発動の許可を受けたプリベンターの老師・張は、部下のキャシィ・ポォ准佐に対し、大統領から送信されたメモリーチップのほか、ヒストリーバンクから3つのファイルをダウンロードし、自身が滞在する火星支局北極冠基地にまで持って来るよう命じる。オペレーション・ミュートスの発動には人工冬眠用冷凍カプセルに眠る「オーロラ姫」の覚醒が必要とされ、オーロラ姫を目覚めさせるにはそのファイルの存在が欠かせないという。やがて基地に現れたファザー・マックスウェルと名乗る初老の男性が持参する4つ目のファイルと合わせ、老師・張は冷凍カプセルの中で眠り続けていたAC時代のガンダムパイロット、ヒイロ・ユイを覚醒させる。

かつて「もう誰も殺さない」と誓ったヒイロに与えられた任務は、地球圏にとって最大の敵であるリリーナ・ピースクラフトの殺害だった。

テンプレート:ネタバレ

登場人物 編集

ヒイロ・ユイ
かつてのガンダムのパイロットの一人。詳細な理由は不明だが、長い間コールドスリープによって若い肉体を維持しており、「オーロラ姫」と呼ばれていた。
しかしMC-0022 NEXT WINTERに覚醒。通常は一日以上しなければ立つことも出来ない状態から、直ぐに行動を開始し、身体能力の健在ぶりを見せた。
搭乗機は「白雪姫(スノーホワイト)」。
ファザー・マックスウェル
かつてのガンダムのパイロットの一人、デュオ・マックスウェルである。「オーロラ姫」の覚醒に必要なファイルを持ってきた。
ガンダムパイロットとしての役目が終わった後、酒浸りの日々に陥り、同棲していたヒルダにも愛想をつかされる始末であった。別れを切り出そうとするも、ヒルデに先んじられ、部屋を追い出される。その後は、慰謝料の請求を逃れるため、人類の最果てである新天地火星へと移り住んだ。火星では気ままな一人旅を新しい「相棒」(2代目)と続けていたが、夜間の飲酒運転により操縦を誤り転倒、愛車は大破、自身も大怪我を負うも、通りすがったトロワが呼んだ救援により一命を取り留めた。治療費の支払いに苦慮していたところ、同じく火星に来ていたヒルデと再会、治療費と新しい相棒(3代目)の費用捻出のためヒルデにプロポーズし結婚、「ファザー・マックスウェル」となった。(これはデュオ・マックスウェルという戸籍がそもそも存在せず、また火星にも密入国したため戸籍が無かったので、ヒルデが結婚の際、つくった戸籍の名義がファザー・マックスウェルであった)
シュバイカー孤児院の資金調達のために、火星で賞金稼ぎまがいの仕事をしていた。風土病により、キュレネの風やサリィよりも老けて見えるほどに老化が進んでしまったらしい。
デュオ・マックスウェル
ファザー・マックスウェルの(血の繋がらない)息子。髪を三つ編みにしており、容姿も若い頃のファザーにそっくりであるが、口は悪い。
ファザーに訓練を積まれており、ヒイロ・ユイに匹敵する腕前とのこと。またメカの扱いに長けており、推定4歳の時点で、ファザーのバイクを修理するほどの技術を有していた。
ファザー曰く、口が悪いのは「男手ひとつで育てた為」とのことだが、実際にはそれ以前にシュバイカー孤児院で育てられており、この頃から口が悪かった。
搭乗機は「魔法使い(ワーロック)」。
ドクトルT
かつてのガンダムのパイロットの一人、トロワ・バートンと名乗っていた人物。特徴である長い前髪は健在のようだ。
本人曰くドクトルTのTは「トロワ」ではなく「トリトン」とのことだが、後にトロワ・フォボスの名乗る少年にはどちらでも「3」と思われている。
トロワ・フォボス
MC-0021 FIRST WINTERに、火星連邦政府の初代大統領ミリアルド・ピースクラフトを暗殺した少年。しかし暗殺直後に所属していた組織に裏切られてしまう。そこをドクトルTとカトリーヌに助けられ、行動を共にする。その後、キャスリンによってヒイロ・ユイに匹敵するレベルまで訓練を積まされた。
かつてのトロワと同じく「名無し」であり、カトリーヌ追撃の際にドクトルTに「あんたのTはトリトンだったな?」と確認を取り、トロワ・フォボスを名乗ることにした。
W教授
かつてのガンダムのパイロットの一人、カトル・ラバーバ・ウィナーである。「スノーホワイト」と「ワーロック」の開発・製造を担当したらしい。
『EW』から本作までの具体的な経過年数は示されていないものの、ファザーやドクトルTが「初老」と表記される中、「青年」と表記されている。かつての戦いで多くの命を奪ったことへの自責から、自分は幸せになってはならないという強迫観念に囚われている。結婚はしておらず、姉のイリアからは「恋愛すらしないのかもしれない」と言われていた。
カトリーヌ・ウード・ウィナー
W教授の妹。トロワ・フォボス曰く「かなり年の離れた兄妹」。試験管から生まれたため自分の存在を卑下しており、生命溢れる美しい世界を直視するのは申し訳ない事であるとし、眼鏡を着用している。一人称は「ボク」。リリーナの完全平和主義に賛同し、彼女の力になるため未完成のMS「プロメテウス」を奪い脱走する。
シスター・ヒルデ
ラナグリン共和国でシュバイカー孤児院を経営していた。
ミス・キャスリン
トロワ・フォボスに訓練を施した美女。ドクトルTからは「姉さん」と呼ばれている。
ラシード・クラマ
ウィナー家で惑星間輸送の仕事を勤めている。カトリーヌからイリヤに好意を抱かれていると言われたものの、自身とは釣り合いが取れないことや、既婚であることを理由に一笑にふしている。自責の念を強めるカトルのことを、少年時代から変わらず心配している。
イリア・ウィナー
カトルやカトリーヌの姉にして、カトリーヌの育ての親。
キュレネの風
かつてゼクス・マーキスの名でOZに、ウィンドの名でプリベンターに所属していた、サンクキングダムの王子。娘と共に火星を旅していた。キュレネとは、ファザーと再会した都市の名前で、名をなんと呼べばよいかを聞かれた際に名乗った。トールギスの後継機を駆り、孤独な戦いを続けている。

トレーズ・ファイル 編集

トレーズ・クシュリナーダ
かつてのOZの指揮官。宇宙の平和的指導者ヒイロ・ユイの甥、アインとクシュリナーダ家の令嬢アンジェリーナの間に生まれる。財団の後継者となるべき立場であったが、養父フンボルトとアンジェリーナとの間に弟ヴァンが生まれると、片方の血しか引いていない自分よりもヴァンのほうがふさわしいと、連合軍の士官学校へ入学した。士官学校では優秀な成績を収め、誰よりも優秀な将軍になると叔父のカタロニア将軍にも認められていた。当時無用の長物と言われ、自身も有効ではないと思っていたモビルスーツという兵器に、コルシカ基地でのトールギスとの邂逅に着想を得たことで、モビルスーツの戦闘理論を構築、史上初となるモビルスーツ部隊を創設するに至った。
ヴァン・クシュリナーダ
トレーズの父親違いの弟。トレーズは彼の将来を有望視していたが、自身は母親のアンジェリーナの意思に従い、兄に地球と宇宙の覇権を握らせることを目標に行動していた。若くして才能を発揮し、宇宙におけるモビルスーツの量産を軌道に乗せ、それを連合に卸すことで財団に莫大な利益を生んだことで10代にして財団の副代表の地位に就いた。母親への愛情が強く、近づく男に対して過剰なまでの敵意を撒き散らしてしまう。その後、AC-188にアディンの命令を受けたヒイロが暗殺しようとするが、他の暗殺者に先を越されてしまう。その際、アンジェリーナも巻き添えをくらい死亡した。暗殺者はその後ヒイロが初めて殺した人間となる。
アディン・ロウ
ヒイロの実の父親であるが、ヒイロはその事を知らず彼から暗殺に関する技術を学んだ。

地球圏統一国家 編集

キャシィ・ポォ
プリベンターに所属している女性。階級は准佐。かつてのガンダムパイロットの協力者サリィ・ポォの娘であり、ファザーには「おっかさんそっくり」、ヒイロには「劣化サリィ」と評された。
老師・張
キャシィの上官。かつてのガンダムのパイロットの一人、張五飛である。現在は火星支局北極冠基地に一人で滞在している。
ドロシー・T・カタロニア
地球圏統一国家大統領。オペレーション・ミュートスを発動させる。
レディ・アン
大統領補佐官。
シルビア・ノベンタ
地球圏の大使。

火星連邦政府 編集

ミリアルド・ピースクラフト
火星連邦政府の初代大統領。後にトロワ・フォボスを名乗る事になる少年に暗殺された。かつてのEVE WARSにてホワイトファングを指揮した、あのミリアルド・ピースクラフトを名乗っているが、その正体はルクレツィア・ノインの年の離れた兄である。
ゼクス・マーキス
火星の人工海上国家・ラナグリン共和国の上級特佐。ミリアルドの死後、火星連邦政府からの独立を宣言した。長く伸ばした金髪、端整な顔立ち…と容姿はかつてのOZのゼクス・マーキスにそっくりだが、本人ではない上、クローン、整形、変装、生霊でもないらしい。
ナイナ・ピースクラフト
キュレネの風とノインの間に産まれた、双子の姉弟の姉。幼い頃に父と火星を旅していたが、後にシュバイカー孤児院に預けられる。デュオのことを気に入っていた。
ミル・ピースクラフト
キュレネの風とノインの間に産まれた、双子の姉弟の弟。男ではあるが、母ルクレツィア・ノインの若き日にそっくりである。
リリーナ・ピースクラフト
ミリアルドの死後、コールドスリープから目覚めさせられ、二代目大統領として火星の統治を宣言する。ファザー曰く「かつてのリリーナとは変ってしまった」とのこと。

用語 編集

クローン
その一人一人の予備とも言うべき存在。姿形も本人そっくりで名前も同じで本人からは「名前の同じ弟(妹)」と呼ばれている。クローンの使用例は、「本人が事故等により内臓の一部を摘出しなければならないときクローンの内臓の一部を移植することで本人に生命をつなぎとめたりする」とのこと。
風土病
原因不明の火星の風土病。侵されると急激な老化現象を引き起こす。老化現象には個人差が生じる。ワクチンが開発されているものの、ファザーに打たれたものは効果がなかった。カトルの姉のイリアが風土病について調べている。
火星連邦政府
火星圏の国家を統括する組織。初代大統領はミリアルド・ピースクラフト。初代の暗殺後は、コールドスリープから目覚めたリリーナ・ピースクラフトが二代目を務めている。
ラナグリン共和国
火星にある国家の一つ。ミリアルド大統領の暗殺によって火星政府の革新派と保守派の両勢力が均衡になり、革新派が亡命してきたことを機にゼクス・マーキス上級特佐が火星連邦政府からの離脱並びに独立宣言すると共に宣戦布告をした。

書籍 編集

角川書店から発売。

  1. 新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 贖罪の輪舞(上)ISBN 978-4047156340(2011年2月26日刊行)
  2. 新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 贖罪の輪舞(下)ISBN 978-4047156746(2011年2月26日刊行)
  3. 新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 連鎖の鎮魂曲(上)ISBN 978-4047157330(2011年6月25日刊行予定)

関連項目 編集

en:New Mobile Report Gundam Wing: Frozen Teardrop
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