機動戦士ガンダム 逆襲のシャアの登場人物では、アニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する架空の人物を列挙する。
本項では映画脚本の初期稿を元にした小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』とそのカセット文庫版、および前日譚を加えたノベライズ作品『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』に登場する人物についても解説する。なお、本作では過去のガンダムシリーズ作品から登場人物が引き継いで登場しているが、特に説明が必要な人物の詳細については各人の項目を参照。
地球連邦軍(ロンド・ベル)[]
以下の人物の詳細は各項目を参照。
- アムロ・レイ
- 地球連邦軍の大尉[1]。作中で乗機をリ・ガズィからνガンダムへと乗り換え、一年戦争以来の宿敵であるシャアとの決着に臨む。『機動戦士ガンダム』の主人公であり、本作における中心人物のひとり。
- ブライト・ノア
- ロンド・ベル旗艦ラー・カイラム艦長で、階級は大佐[1]。アムロとは一年戦争以来の戦友。
- アストナージ・メドッソ
- ラー・カイラムのチーフメカニックマン[1]。ケーラとは恋人同士となるが、彼女の死後に彼もまた命を落とす。
- アンナ・ハンナ
- アストナージの同僚。
- テンプレート:Visible anchor(Chan Agi)
- 声 - 弥生みつき(映画版) / 折笠富美子(『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』以降のゲーム作品)
- 地球連邦軍の技術士官で階級は准尉[1]。νガンダムの開発を主導する人物で[1]、開発のサポートのためにアナハイム・エレクトロニクス社へ出向する。メカニックマンのほかに、ラー・カイラムの砲座の機銃でレズンのギラ・ドーガを撃墜したり[注 1]、ある程度のMSの操縦をするなど行動的な女性ではあるが、朴訥な面もある。また、アムロとは恋人関係にもあり、公私にわたってサポートする。クェスにとっては嫌な女に映っていたようで、彼女がネオ・ジオンへと走る一部要因となる。サイコフレームの試料を携帯していた過程で、ニュータイプとしての素養に次第に開花していく。
- 終盤ではアムロにサイコフレームの試料を届けるためにリ・ガズィに搭乗して戦場に駆けつけ、ジェガンに乗るハサウェイを巻き込みかけながらもクェスのα・アジールを撃墜することに成功する。だが、クェスを殺した事にで激昂したハサウェイに撃墜され、戦死した。この際に宇宙を漂流することになったサイコフレームの試料は、チェーンの遺志で動いているような演出がなされ、アクシズの落下を阻止する上で大きな役割を果たしたかのようにも解釈できる描写がなされた[2][3]。
- 終結後、ハサウェイはチェーンを殺害した事は、連邦軍には秘密にしていた模様。
- なお、脚本の初期稿ではアムロの恋人役は『機動戦士Ζガンダム』同様ベルトーチカ・イルマになる予定だったが、映画スタッフの意見により彼女の登場となった経緯がある[4]。初期稿を元にした小説『ベルトーチカ・チルドレン』では登場しない。
- 小説『ハイ・ストリーマー』ではアムロとの出会いも描かれている。チェーンによるνガンダムのデザイン画がアムロのイメージに合致するデザインのため驚かせたが、「今までのガンダムを合わせてデザインすれば嫌でもこうなります」と返すなど当初は恋人関係になる傾向はなかった。のち彼女の献身的な性格にアムロが魅かれていく。サイコミュの脳波チェックの際にララァ・スンの存在に気付き、嫉妬心から訊ねるが、アムロはそれを否定しチェーンへの愛情は変わる事はなかった。
- テンプレート:Visible anchor(Kayra Su)
- 声 - 安達忍
- ロンド・ベル隊の女性モビルスーツパイロット。階級は中尉[1]。アムロ指揮下のモビルスーツ隊で先鋒をつとめていた。戦闘での勇敢さと優しさを持ち合わせた女性で、チーフメカニックであるアストナージと恋人同士であった。ジェガンに搭乗していたが、アムロがνガンダムに搭乗してからは、リ・ガズィを譲り受けた。
- 戦場でギュネイに囚われて人質となり、その後不運な偶然が重なり、ヤクト・ドーガに握りつぶされ死亡する。
- テンプレート:Visible anchor
- 声 - 戸谷公次
- ラー・カイラムの操艦士[1]。
- メラン
- 声 - 石塚運昇
- ラー・カイラムの副艦長[1]。階級は大尉[5]。ハサウェイの遺書を受け取った。
ネオ・ジオン[]
以下の人物の詳細は各項目を参照。
- シャア・アズナブル
- 新生ネオ・ジオンの総帥。連邦政府に宣戦布告を行い、人類に対する粛清を掲げて隕石落としを進める一方、自ら乗機であるサザビーで戦線に赴き、宿敵であるアムロとの決着を果たそうとする。本作における中心人物のひとり。
- テンプレート:Visible anchor(Nanai Miguel)
- 声 - 榊原良子
- ネオ・ジオンのニュータイプ研究所所長にして戦術士官[1]。階級は大尉[1]。シャアを盲目的に慕っており[6]、軍事では参謀として、私的な場では恋人として、彼を公私にわたってサポートする。軍人としては部下に厳格な面を見せていたが、自由奔放でシャアのことを慕うクェス・パラヤとは折り合いが悪く、多少の嫉妬[1]も抱いており、何かとクェスをかまうシャアに苛立ちを見せることもあった。
- 本人はパイロットとして戦場には出ないものの、彼女自身もニュータイプらしき素質があるところが垣間見える場面があり、戦場でサザビーを駆るシャアの行動や感情を強く感知し、把握していた。戦局の終盤では、シャアが死に急ごうとしているように感じたのか、不安の入り混じった思念を送るが、アムロとの決着に没入するシャアに「男同士の間に入るな」と、一蹴されてしまう。そして、地球に落下するアクシズを包むサイコフレームの光の渦の中にあるシャアが大気圏の摩擦熱で消滅したと思われた瞬間、シャアの命が尽きたと感じたのか号泣する。その後の消息は不明。
- 総監督の富野由悠季曰く、「シャアが抱きついても恥ずかしくない女」というイメージを創るのに苦労したそうである。
- 小説『ベルトーチカ・チルドレン』では、「メスタ・メスア」という名前で登場し、カセットブック版の声優もナナイと同じく榊原良子である。彼女の父親はジオンとの繋がりを疑われ、過酷な仕事に追いやられてそのまま死んでしまったという過去を持つ[7]。
- ナナイの過去を描いた作品がいくつか存在している。漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、兄ジョルジョ・ミゲルと共にジオン独立同盟の活動員として登場。フラナガン機関の研究を引継いだサイド3仮施設にて研究員として携わり、ナナイ自身も過去にニュータイプ訓練を受けている。宇宙世紀0084年以降は連邦軍のニュータイプ施設の優良研修生となった。劇場版Ζガンダム基軸の漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、ティターンズの配下にあったニュータイプ研究所で研究生として登場。ローレン・ナカモトと共にカラバへ投降するが、その後アクシズへの亡命を匂わせる描写がある。漫画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア BEYOND THE TIME』では、第一次ネオ・ジオン抗争後は民間のサイコミュ研究所を装いニュータイプ研究を続けており、その成果としてサイコフレームを開発し試作品を完成させていた。その後サイコフレーム技術を求めるシャアと再開しネオ・ジオンに所属した。
- なお、書籍『ガンダムMSグラフィカ』では、宇宙世紀0095年にナナイの遺品を引き取りにきた母と思われる老女が登場。
- テンプレート:Visible anchor(Quess Paraya)
- 声 - 川村万梨阿(映画版) / 荘真由美(角川カセット文庫版)
- 13歳の少女。髪型を左右で長さの異なるツインテールにしている。アデナウアーの娘で民間人[8]だが、ニュータイプ[1]の資質を持ち、作中では敵味方の陣営を転々とする。
- 感受性が強く[6]、他人の心情を敏感に読み取ったり[1]、相手が自分に対してこの先どのように関わってくるかを予見することができるという鋭い直感力を持つ一方[9]、そうした振る舞いが彼女を情緒不安定で奇異な存在に見せている[10]。感情の起伏が激しく[1]、浅薄で[10]、周囲の状況を考えることができずに自分勝手な行動をとってしまったり[1]、思ったことを包み隠さずに口にしてしまったり[9]するような短所を持つ。
- 作中では複雑な人間関係を演じ[11][12]、ハサウェイ、ギュネイの2人から異性としての好意を寄せられるものの、その内面は愛のない家庭で育ったことによって傷つき[8]、父親の愛情に飢えており[8]、アムロやシャアに父親的なものを求め[13][14]、またチェーンやナナイには激しい嫉妬を向ける。
- 地球生まれの地球育ちだが、誰もがニュータイプになれれば人は分かり合えるという考えを持ち[8][15]、かつて不和を抱える家から家出をしてインド[注 2]のクリスティーナという女性のもとでニュータイプになるための修行をしていた経験を持つ。
- 第二次ネオ・ジオン抗争の始まった頃に父の依頼を受けた警察によって修行から連れ戻され、父と共に旧ホンコン[17]の宇宙港から宇宙へと上がり、相席したハサウェイと知り合うが、この際に自分たちの搭乗するシャトルが落下中の5thルナとニアミスすることを予知している。宇宙ではロンド・ベルに身を寄せ、ニュータイプであるアムロやモビルスーツの操縦について興味を持つようになるが、次第に自分が周囲から冷遇されていると感じるようになり、チェーンとアムロの関係を察した際には彼女と衝突し、自分はアムロの傍にはいられないと感じるようになる[18]。その後サイド1のコロニー・ロンデニオンでシャアと出会い、アムロとシャアが格闘するのを目撃したクェスは、シャアの味方をして彼を助け、彼の誘いに応じてネオ・ジオン側へと身を寄せる。
- クェスはシャアが掲げる思想や自分と同じような孤独感に共感し[8][19][注 3]、同時に彼に対する独占欲を抱くが[8]、しかしシャア自身はクェスのことを持て余し、優しく振る舞いつつも彼女を戦争の道具として扱うだけであった[8][10][14]。このことはクェスに恋心を寄せるギュネイの反発を招くが[1]、クェス自身は、自分がシャアからそのように扱われていることには気がつかなかった[8]。
- ニュータイプ研究所で心理的な刷り込み[24]や訓練を受け、ファンネルを使いこなすなど非凡な才能を見せ、ニュータイプ専用機ヤクト・ドーガやα・アジールの性能を発揮していく。一方で初陣となるルナツーでは、自らが攻撃した巡洋艦のブリッジに父アデナウアーがいたことに気付かないまま父親を手にかけることになり[注 4]、それを期に感情のバランスを失っていく[19]。地球がなくなれば人は誰もがニュータイプとなって分かり合えるというシャアの思想を信じ[注 3]、地球連邦軍を相手に戦い続けるが[注 5]、最終的には戦場で彼女を慕うハサウェイと再会し身を挺した説得を受けるもそれを拒み、彼女の存在を危険と感じたチェーンの攻撃によってα・アジールもろとも撃墜され、戦死した。クェスが死の間際にとった行動は、チェーンからの攻撃にハサウェイを巻き込むまいと遠ざけ、彼を助けようとするものであった[注 6]。クェスが求め続けていた父親を得られなかったことは、映画の終盤におけるアムロとシャアの最期の会話でも触れられることになる[13][14]。
- 小説『ベルトーチカ・チルドレン』では、ネオ・ジオンに身を寄せた直後からα・アジールを乗機として与えられるほか[28]、その最期の経緯が映画版と異なっている。同作ではジェガンに乗ったハサウェイが、図らずもシャアのナイチンゲールに向けたつもりの攻撃[注 7]をα・アジールの操縦席に直撃させ、クェスを殺害してしまう結果となっており[29]、この出来事が同作の続編『閃光のハサウェイ』へと尾を引くことになる[注 8]。一方で後年製作されたOVA『GUNDAM EVOLVE 5』では映画や小説とも異なる展開が描かれ、小説とは逆にクェスがハサウェイの乗機を撃墜してしまうものの、アムロによって諭され、辛うじて生存していたハサウェイを救出するという結末が描かれている。
- 作中におけるクェスの立ち位置は、『機動戦士Ζガンダム』の主人公カミーユ・ビダンを意識したものであるといい[30]、カミーユ同様に当時の大人から見た若者像が反映されているといわれる[10][31]。映画でクェス役を演じた川村は、その性格がネガティブに受け取られないよう注意して演じたが[6][9][注 9]、そのエキセントリックな人物像はファンの間で否定的な評価も寄せられたといわれ[10]、賛否が分かれた[32]。キャラクターデザインを担当した北爪は、クェスが作中で最も手間がかかったキャラクターであるとしており、監督の富野が思い描くイメージを把握するまで何度も手直しを重ねたという[33][34][注 10]。
- 初期設定では「クェス・エア (Quess Air)」という名前で[36]、本編劇中にもネオ・ジオンにおいて彼女が地球連邦政府高官の娘であることを隠すためにこの名を偽名として用いる場面がある[注 11]。本来の姓である「パラヤ」は、彼女が修行を積んだインドのカースト制における不可触民、パライヤールからとられているとのこと[38]。不可触民とはカーストの階層外の者を示す。
- テンプレート:Visible anchor(Gyunei Guss)
- 声 - 山寺宏一(映画版) / 松本保典(角川カセット文庫版、グラーブ・ガスとして登場)
- ナナイが所長を務めるニュータイプ研究所出身の強化人間で階級は准尉。ヤクト・ドーガのパイロットであり、ロンデニオンではシャアの護衛を務め、ホビー・ハイザックでシャアの送迎も行った。
- 切れ者のエリートだがナイーブな一面もあり[39]、多感な性格[6]。従来の強化人間と異なり落ち着いた振る舞いを見せ[40]、頭痛などに苦しめられる様子もないが[41][注 12]、その一方で度重なる強化、調整の結果として、自信過剰で自分の生死に無頓着な一面も現れており[42]、劇中では過度な強化に対する懸念がされている。ギュネイ自身は、周囲から強化人間ではなくニュータイプとして認められたいという願望を抱いており[40]、また一年戦争の際にサイド4の戦禍で両親を失った経験から[43]、シャアが道を誤った際には自分がそれを止める立場になろうと考えている。
- クェスに当初は迷惑していた素振りを見せる。しかし、ヤクト・ドーガの試験飛行でファンネルを上手く使うこと等を目にし、ニュータイプとしての彼女に惹かれ[40]、密かな恋心を抱くようになり[1]、同時に本物のニュータイプに対する羨望や嫉妬を芽生えさせる[44]。しかしクェスはシャアに夢中で[44]、ギュネイのアプローチに全く応えなかった。シャアがクェスの才能を利用しようとしていることに対しては不快感を示しており[1]、自分がアムロを倒すことによってシャアを超える男になり、クェスの心を自分のものにしたいという野心に突き動かされるようになっていく[44]。
- 戦闘では実戦に不慣れなクェスを援護して戦い、アクシズを狙った核ミサイルによる攻撃を全て撃ち落とす活躍も見せたほか、ケーラを人質にしてアムロに投降を呼びかけたり、クェスと連携したりするなどしてνガンダムを倒すことに執着する。しかしアムロとの交戦中に被弾し、呆気ない形で[11]最期を遂げた。
- 初期設定では「グラーブ・ガス」という名前が設定されており[36]、小説『ベルトーチカ・チルドレン』ではこの名前で登場する。同作での乗機はサイコ・ドーガ(サイコ・ギラ・ドーガ)。ベルトーチカの乗ったリ・ガズィと戦い、ベルトーチカの子の声を感じ取り動揺した所をグレネード(カセット文庫版ではミサイル)で撃墜される[45]。
- テンプレート:Visible anchor(Rezin Schnyder)
- 声 - 伊倉一恵
- 新生ネオ・ジオンのモビルスーツ隊長で階級は少尉。男勝りの女性で[1]、青いカスタムカラーのギラ・ドーガを駆り、戦場に入れば好き勝手にやっていた。寄り合い的な部隊をまとめ上げるカリスマ的なエースパイロットであり[46]、劇中ではケーラのジェガンを圧倒するなどの活躍も見せているが、一方で自分がニュータイプではないことに対する劣等感や卑屈さから[6]、強化人間やニュータイプに対する対抗意識を抱いており[1]、ギュネイやクェスに対しては辛辣な態度で接する。
- シャアの陽動作戦に参加した際、ラー・カイラムの対空砲火に乗機を撃墜され死亡する。このときレズンを撃墜したのは、映画ではサイコフレームの試料を所持したチェーンで[注 1]、小説『ベルトーチカ・チルドレン』では赤子の声に導かれたベルトーチカであった[47]。
- テンプレート:Visible anchor
- 声 - 村松康雄
- 文官。シャアの政治・外交面の参謀役[1]。ギュネイの強化の程度を懸念している。
- 漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ジオン独立同盟の党首として登場。旧知の間柄であるマハラジャ・カーンを通じ、シャア・アズナブルに対しジオン・ズム・ダイクンの遺志を継いで決起するように働きかける。
- テンプレート:Visible anchor
- 声 - 池田勝
- 文官。カイザスと共に政治・外交面の参謀役[1]。生粋のジオニストで[48]、ジオンの再興を願っている[1]。連邦軍からのアクシズ買収の交渉にあたる。
- OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、アクシズの高官として登場し、漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』ではザビ家信奉派として描かれた。これらは本来「アクシズの高官B」というキャラクターであったが、現在の解説本では[49]ホルスト本人として扱われている。
- テンプレート:Visible anchor
- 声 - 曽我部和恭(映画版) / 斉藤次郎(『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威』)
- レウルーラの艦長。階級は中佐[1]。
地球連邦政府[]
以下の人物の詳細は各項目を参照。
- カムラン・ブルーム
- ミライの元許婚でありブライトのかつての恋敵。シャアの思惑を見抜き、禁を犯して核弾頭15基をブライトに託す。
- テンプレート:Visible anchor
- 声 - 嶋俊介(映画版) / 中多和宏(『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』)
- 地球連邦政府の参謀次官[1]。政府の密命を受けており[1]、ロンド・ベルを相手にせず、ネオ・ジオンとの和平交渉を進めようとする。典型的なアースノイドであり、地球のこと以外は顧みようとしない[50]。小説『ベルトーチカ・チルドレン』でも、虚栄心は強いが皮肉を投げかけられても気が付かないような人物として描写されている[51]。
- クェスの父親だが、彼女が父親の愛情に飢えていたのに対し、アデナウアーは家庭を顧みない人物であり[50]、クェスからは軽蔑されている。小説『ベルトーチカ・チルドレン』によれば、本妻は家を出て宇宙移民となっており現在は音信不通とされ[52]、クェスからは愛人がアデナウアーから実母を奪ったと思われていることが描写されている[53]。宇宙に上がろうとした際には愛人キャサリン(声 - 小宮和枝)が同行していたが、クェスの同行を嫌った彼女とは宇宙空港で喧嘩別れしてしまい、このときに空いた席を居合わせたハサウェイに譲ったことが、ハサウェイとクェスを引き合わせることになる。
- シャアの真意には気がつかないまま、ネオ・ジオンのアクシズ落としに利用される形で交渉を進め、最終的にはネオ・ジオンの武装解除という名目で立ち会ったルナツーにおいて、乗艦していたクラップのブリッジに攻撃を受け死亡[1]する。このとき艦を攻撃したヤクト・ドーガを操縦していたのは、ネオ・ジオンのパイロットとなっていた娘クェスであったが、アデナウアーはそのことに気がつくことはなかった[54]。
- テンプレート:Visible anchor
- 本編では冒頭で名前が挙がるのみ。ミライ等のために宇宙行きの航空券を取っており、紹介状の名義人となっている。またアデナウアーにもなんらかの貸しを作っていたらしい表現がなされており、アデナウアーがシャトルの席をハサウェイに譲る理由として、バウアーへの「借り」に言及する場面がある。
- ロンド・ベルの創設に関わった政治家であると設定されており[注 13]、後に『機動戦士ガンダムUC』にも登場する。
その他[]
以下の人物の詳細は各項目を参照。
- ハサウェイ・ノア
- ブライトとミライの息子。本作ではミライによって宇宙に送り出された際に出会ったクェスに好意を抱く。その後、ネオ・ジオンへと転向したクェスを連れ戻そうと、ジェガンを奪取して無断で戦場へと出てしまう。
- ミライ・ノア(ミライ・ヤシマ)
- かつてのアムロと共に戦ったホワイトベースの元乗員で、現在はブライトの妻。シャトルの席を取ることができず、地球に残る。
- チェーミン・ノア
- ブライトとミライの娘で、ハサウェイの妹。母と共に地球に残る。
- ララァ・スン
- 一年戦争で戦死した少女。アムロとシャアの因縁に深く関与する人物であり、両者の夢の中に幾度となく現れる。
- テンプレート:Visible anchor
- 声 - 牛山茂
- アナハイム・エレクトロニクス社の技術部主任技師。νガンダムの開発に携わっている。サイコフレームの出所をチェーンに知らせる。
ベルトーチカ・チルドレンにのみ登場する人物[]
以下の人物の詳細は各項目を参照。
- ベルトーチカ・イルマ
- 小説『ベルトーチカ・チルドレン』では『機動戦士Ζガンダム』から引き続いてアムロの恋人として登場する。映画におけるチェーンと似た役回りを演じるが、アムロの子供を身ごもる、ラストシーンまで生存するといった差異が存在する。
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- アムロとベルトーチカの間にできた子供で、妊娠3か月未満の胎児[55]。クェスはベルトーチカ自身が気がつくより先にその妊娠を言い当てており、このことはクェスがアムロに対する興味を失わせる動機にもなった[56]。ベルトーチカが妊娠に気がついて以降は、彼女に様々な幻聴をもたらして彼女を導き、レズンやグラーブの死にも関わる[47][45]。アムロは最期の出撃の直前に妊娠のことを知らされるが[55]、生まれてくる子供の顔を見ることなく戦死する。
- 映画では、アムロの結婚した姿を見たくないという批判に富野が説得力を感じたことからベルトーチカ共々登場しないことになり[57]、代わりにチェーンが所持しているサイコフレームの試料がその役割を担った。
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- ナナイ・ミゲルを参照。
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- ギュネイ・ガスを参照。
ハイ・ストリーマーにのみ登場する人物[]
地球連邦軍[]
- マシアス・テスタ
- ラー・ザイムの艦長。アムロにはパイロットのみならず、宇宙港への入港事務、捕虜の尋問、エグムの潜入捜査を命じる。物語途中でラー・ザイムごとロンド・ベルからルナ・ツーに転属となる。アムロからは「素人」と低く評価されている。
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- ラー・ザイムのモビルスーツ隊パイロット。20歳。ジェダ5番機を駆りアムロのパートナーとして捕虜の尋問や潜入操作もこなす。空手の有段者であり格闘能力も高い優秀な兵士である。当初はアムロを単なる上司としか視てなかったが、MSの操縦のミスで民家を巻き込み死者を出した事故の処理をアムロにして貰い、アムロの優しさに魅かれて行くことになる。しかし、そんな彼女の想いも虚しく、ラー・カイラムに移ったアムロと再会する事は遂になかった。
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- ラー・ザイムのジェダ4番機パイロット。悩み事の無さそうな楽天家。
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- ラー・ザイムのジェダ6番機パイロット。
- メステマー・ディロン
- ラー・ザイムの士官。中尉。アリョーナ・ペイジを尋問する。
- ベッグルマン・オファー
- ラー・ザイムのメカニックチーフ。徹夜でモビルスーツの整備にいそしむ真面目で実直なメカマンだが、アムロからは低く評価されている。
- キメロン
- ラー・ザイムの副長
- コンケスト
- ラー・カイラムのパイロット。中尉。戦争を当然と考えるアムロに反発して戦闘忌避を主張するが、アムロの強引さに押し切られる。
エグム[]
- ゼダ・マンディラ
- 市民運動のエグムを隠れ蓑にネオ・ジオンとしてのゲリラ活動をしている。シャアをシャア・ダイクンと呼んで崇拝している。カブール・ベルグソン2式を駆り、アムロを追いつめる。
- キャシー・カザリック
- アリョーナ・ペイジが住むアパートの管理人。ポーランド出身の宇宙移民一世。興信所の探偵に変装したアムロにエグムとの連絡先を教える。
- アンクル・サムの主人
- エグムの支持者が集まるバー「アンクル・サム」の主人。変装したアムロにゼダ・マンディラを紹介する。
- アリョーナ・ペィジ
- エグムのゲリラ活動に携わる18歳の少女。アムロに尾行されてエグムの拠点を暴かれたことで仲間からリンチを受ける。エグムの暴力的活動に愛想を尽かしラー・ザイムに潜入して逃亡をはかる。アムロを保証人としてロンデニオンに移住しアムロと一夜を明かす(添い寝をしただけである)。愛してくれると言う約束を残したまま帰ってこないアムロの冷たさに涙を止められずにいた(アムロはシャアと戦闘中であった)。当初アムロを憎んでいた言動もあったが、子供の時に汚い格好をした自分にアムロが手を振り返してくれた事を覚えており、本心からではなかった。
- アマラン、クラーク
- ザクに酷似したモビルスーツのパイロットたち。エグムの運動家でネオ・ジオンの活動員。
脚注[]
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注釈[]
- ↑ 1.0 1.1 劇中ではこのとき、チェーンが腰に下げたサイコフレームの試料が淡い光を放っている描写がある。
- ↑ 小説『ベルトーチカ・チルドレン』での描写によれば、インド大陸北部のガンジス川沿いにある都市、カーシーにいたとされる[16]。
- ↑ 3.0 3.1 小説『ベルトーチカ・チルドレン』によれば、クェスはシャアの「重力に魂を縛られる」という言葉に自分が修行中に探し求めていた、自分の家庭内の不和や戦争の原因に対する解答を見出したとされ[20]、作中において、それを不幸な人にしか実感できない概念であると評している[21][22]。また小説中では、父親の愛人を生んだ地球を破壊できるのはシャアのおかげであり、そうすれば父親もクェスの実母とよりを戻せるかもしれないという願望を口にしているが[23]、クェスはこの時点で既に父親を殺めた後であった。
- ↑ 小説『ベルトーチカ・チルドレン』によれば、クェスは父アデナウアーが乗艦するクラップ巡洋艦から、特別な色のついた思惟を感じていたとされ[25]、父を手にかけた瞬間にはその断末魔の思惟を感じ取って混乱するが、それが父親のものであることを理解することができなかったと描写されている[26]。
- ↑ ただし、ギュネイと2人掛りでもνガンダムを駆るアムロには歯が立たなかった。
- ↑ 最期の瞬間は、単にハサウェイを退けようとしたのか助けようとしたのか曖昧な描写となっているが、関係者などのコメントでは「クェスは、死ぬ間際には、ちゃんとハサウェイを救けようとするんです」[27]と説明されている。
- ↑ 小説ではビームライフル、角川カセット文庫版ではハイパーバズーカ。
- ↑ 詳細は「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ#登場人物」を参照。
- ↑ 具体的には、素直さや感受性の強さを出すように留意し、単に自分勝手で怒りっぽい人物に見えないように試みたという[6][9]。
- ↑ 当初のデザインは決定稿とはまったく異なっており、富野からの指示を受けて全体の雰囲気や髪型、輪郭、目元などを幾度も修正したという[34]。また最終的に決まったデザインもアニメーターにとっては似せるのが難しくて描きにくく、作中で着替える衣装が多いこともあって手間のかかるものであったという[35]。
- ↑ 映画本編にはこの偽名で呼ばれる場面はほとんどないが、後に発売された「HCM-Pro ヤクト・ドーガ クェス・エア専用機」「HGUC 1/144 ヤクト・ドーガ クェス・エア専用機」などの商品では、商品名としてこの名が用いられている。小説『ベルトーチカ・チルドレン』によれば、この名はクェスの側が名乗ったものであり、シャアはそれが偽名であることには気が付いていたとされる[37]。彼女がアデナウアーの娘であることまで知っていたか否かについては描写がない。
- ↑ これについては強化人間の技術の進歩によるものではないかと推測する解説もあるが[41]、詳細は不明。
- ↑ 「ロンド・ベル」の記事も参照。
出典[]
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 1.22 1.23 1.24 1.25 1.26 映画パンフレット、§MAIN CHARACTERS RELATION。
- ↑ テンプレート:Harvnb
- ↑ テンプレート:Harvnb
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、§あとがき。
- ↑ 別冊アニメディア1998、87頁。
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 映画パンフレット、§MESSAGE MAINCAST。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、197頁。
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 8.6 8.7 別冊アニメディア1998、14-15頁。
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 別冊アニメディア1998、109頁。
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 テンプレート:Harvnb
- ↑ 11.0 11.1 テンプレート:Harvnb
- ↑ テンプレート:Harvnb
- ↑ 13.0 13.1 テンプレート:Harvnb
- ↑ 14.0 14.1 14.2 映画クライマックス、アムロとシャアの台詞による。
- ↑ 映画本編、ロンド・ベルに身を寄せていた際にクェスがチェーンに対して発した台詞による。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、25,28頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、66頁。
- ↑ 映画本編、撃墜される直前にクェスがチェーンに対して発した台詞による。
- ↑ 19.0 19.1 別冊アニメディア1998、77頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、152-153頁。
- ↑ 映画本編、シャアに対してクェスが発した台詞による。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、172頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、299頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、181頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、221頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、223頁。
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、179,219頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、356頁。
- ↑ テンプレート:Harvnb
- ↑ テンプレート:Harvnb
- ↑ テンプレート:Harvnb
- ↑ 映画パンフレット、§MESSAGE MAINSTAFF。
- ↑ 34.0 34.1 別冊アニメディア1998、94-97頁。
- ↑ 別冊アニメディア1998、105-106頁。
- ↑ 36.0 36.1 別冊アニメディア1998、90頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、171頁。
- ↑ テンプレート:要追加記述範囲より。
- ↑ 別冊アニメディア1998、76,96,97頁。
- ↑ 40.0 40.1 40.2 別冊アニメディア1998、76頁。
- ↑ 41.0 41.1 別冊アニメディア1998、81頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、89頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、115,203頁。
- ↑ 44.0 44.1 44.2 別冊アニメディア1998、19頁。
- ↑ 45.0 45.1 ベルトーチカ・チルドレン、334頁。
- ↑ テンプレート:Citation
- ↑ 47.0 47.1 ベルトーチカ・チルドレン、259頁。
- ↑ 別冊アニメディア1998、86頁。
- ↑ 書籍『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』より。
- ↑ 50.0 50.1 別冊アニメディア1998、14,74頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、217頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、45頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、299頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、222頁。
- ↑ 55.0 55.1 ベルトーチカ・チルドレン、276頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、124-125頁。
- ↑ ベルトーチカ・チルドレン、あとがき。
参考文献[]
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- 富野由悠季 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』 角川書店〈角川文庫〉、1988-02-20、初版。ISBN 4-04-410109-4。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(映画パンフレット)』 松竹株式会社事業部、1988-03-12。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 劇場版』 学習研究社〈別冊アニメディア〉、1988-04-10。
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関連項目[]
- ガンダムシリーズの登場人物一覧
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